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東日本大震災 NPOパートナー協働事業

「"保養"はコロナ対策そのもの」

東日本大震災から間もなく10年。Civic Force(シビックフォース)では、2011年から今日まで「NPOパートナー協働事業」を通じて、被災地の復興や被災した方々のサポートを続けています。連携先の一つ、「311受入全国協議会」の取り組みをご紹介します。

「洗濯物を外に干し、窓をあける。以前は当たり前だった風景をここで取り戻せる」(小学生の母親)

「福島ではあまり原発の話をしない。でもここでは話せる。少しラクになる」(小5女子)

「ここ佐渡で、福島で生きる光が見えました」(2児の母親)

——これは、東日本大震災以降、毎年、新潟・佐渡島で開催されている「夏キャンプ」に参加した親子の感想です。参加者の多くは、福島原発の事故後、目に見えない放射能の影響を心配し、孤独やストレスを抱えながら生活しています。

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「今、1組でも多くの親子に参加してほしい」

「拠点は築100年の民家“へっついの家”。約1カ月間、海や庭での外遊び、薪割り、風呂焚きなどの暮らし体験を行います。また、免疫力をあげる手当法の講習や音楽、ものづくり、車座になって原発事故について語り合う時間も大切にしています」。こう話すのは、キャンプを主催するNPO法人ライフケア代表の関久雄さん。福島県二本松市で家族と暮らしていましたが、原発事故後、家族を山形県に避難させ、自身は二本松に残って、福島の矛盾と葛藤を見つめてきました。ライフケアでは、「家族保養」と呼ばれるこの夏休み企画や、山形県米沢市での自然体験キャンプのほか、福島スタディツアーなども開催しています。

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2020年、新型コロナウイルスの影響で、全国であらゆる催しが中止・延期となるなか、関さんたちも実施の可否について悩んだと言います。そして、話し合いの末、今夏は例年よりも期間を短く、リピーターのみの募集に変更して、感染対策を行いつつ実施することを決定。その理由について、関さんは「100年前にスペイン風邪が流行したとき、その時代の歌人、与謝野晶子は『海水浴に行った子は風邪をひかない』という文章を書いています。今1組でも多くの親子に参加してほしいと願うのは、放射能から身を守る保養の灯を消したくないから。保養の基本は養生であり、免疫力を上げること。だから保養はコロナ対策そのものなのです」と静かに語ります。

保養のニーズが減らない理由

「保養」とは、2011年の原発事故以降、放射能のできるだけ低い地域で子どもたちをのびのび遊ばせてやりたいと、全国の有志によって実施されてきたボランティア活動。放射能汚染がある福島では、子どもたちの自然体験の場が減っているため、川遊びや山遊びなどたくさんの自然体験を盛り込んだ企画が多く、保養の費用は各団体が寄付を集めたり助成金を取得したりして賄われています。

「原発事故から9年が経っても、保養のニーズは減っていません」。こう口をそろえるのは、北海道で保養プログラムを実施する「みみをすますプロジェクト」のみかみめぐるさんと、山梨県で保養活動の経験がある早尾貴紀さん。2人は、各地62の保養団体をつなぐ「311受入全国協議会」の共同代表を務め、毎年6月に二本松市といわき市で「ほよ〜ん相談会」を実施してきましたが、この相談会には毎年述べ500人以上が参加しています。今も高いニーズがある背景について、みかみさんは「2017年3月に区域外避難者の住宅支援が打ち切られ、福島に戻った人が『せめて保養だけでも行かせたい』と参加し始めたり、最近母親になった人がいざ子どもを持ったら被ばくが心配になったり。民間団体の放射能測定では今も数値の高い“ホットスポット”がたくさんあって、体への影響を心配しながら子育てをしているのではないでしょうか」と分析しています。

そんな親たちの「声」を集めた報告書を、福島市で活動する日本YWCA・カーロふくしまの佐藤純子さんが届けてくれました。

続きは、近日公開予定です。

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