2014/06/27
Civic Forceがアジア各国の災害支援関連団体と協力して、2012年10月に設立した「アジアパシフィック アライアンス(Asia Pacific Alliance for Disaster Management)」。大規模な災害が起きたとき、各国・地域の企業、行政、NGOが連携することでより効果的な支援を目指しています。
その加盟国の1つ、スリランカにおいて、Civic Forceは今年2月から防災能力の向上を目的に「コミュニティにおける防災能力強化事業」を開始しています。
事業では3年間にわたり①コミュニティレベルでの防災・災害対応能力強化のためのワークショップの実施②中央・県レベルでの多様なアクター(地域住民、NPO、行政、企業、学校など)による災害対応能力強化のためのネットワーク会合の開催、およびワークショップの実施③中央と地方、地方間の他地域の橋渡しのためのセミナーの開催―など展開します。
スリランカの南部に位置するハンバントタ。2004年のスマトラ沖地震による津波で大きな被害を受けた地域の一つです。また最近では川の氾濫による水害や干ばつなどの自然災害が頻発し、住民の生活に大きな影響を及ぼしています。しかし、コミュニティの防災体制は脆弱で、防災意識が十分とは言えません。
4、5月にはスリランカのパートナーNGO「CHA(Consortium of Humanitarian Agencies)」と協力し、ハンバントタで初めてワークショップを開催しました。4月のワークショップには防災関係の地方公務員など66人が参加。災害救援や人道支援の現場で守られるべき指標「スフィア・ハンドブック」の入門知識を習得したほか、ディスカッションでは政府の防災への取り組みについて議論しました。また5月は地方公務員だけでなく、地区の防災委員、村長や若者リーダーなど56人が参加し、洪水や強風といった自然災害から生命や財産を守るための安全な家づくりについて知識を深めました。
真剣な表情で学ぶ参加者(4月) 安全な家づくりについて知識を深めた(5月)
参加者は「学校でもこのようなカリキュラムを取り入れるべきだ」「政府も部門ごとに研修を重ね、意識を高める必要がある」「学んだことを実践することにより多くの命を救うことができる」などと話していました。
スリランカの地方部では、住民の情報拠点が機能しておらず、コミュニティ全体の防災対応能力が十分に備わっていません。また行政やNGO、企業など多様なアクターの協働関係ができていないため、持続的な防災対応能力に限界が生じています。
Civic Forceでは引き続き、コミュニティの防災、災害対応の能力の底上げを図るとともに、コミュニティリーダー、コミュニティ、県、首都の中央レベルを結ぶネットワークを形成し、スリランカ全国に持続可能な仕組みとして広がることを目指していきます。
※本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力事業」による資金で実施しています。