2014/03/17
前回に引き続き、「東北マルシェ™、起業家コンテスト」のその後の取り組み、フランスでの研修について紹介します。
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初日に南仏プロヴァンス地方にある街「リル・シュル・ラ・ソルグ」のマルシェを視察した一行。
フランス研修2日目は同地方のフォルカルキエ市庁舎を訪問し、市長をはじめたくさんの方から熱烈な歓迎を受けました。「ほどーる」の清水由里子さん、木田裕子さんの2人は着物を使用した和小物などお土産を贈呈。その様子は現地の新聞にも大きく取り上げられました。市長表敬のほか、香水作りを体験したり、皮革加工職人工房、リノベーション家具職人などを視察。商品づくりのアイデアや商品に対するこだわりなど、フランスの職人の技術、ものづくりへの熱い思いを体感しました。
「ほどーる」の2人はこの日、マルシェの本場プロヴァンスでの出店を予定していましたが、天候不良のため残念ながら中止となってしまいました。その代わり、「起業家コンテスト」の開催に協力していただいた、同プロヴァンス地方にあるフランスのコスメティックブランド「ロクシタン」の工場で商品を販売しました。工場内で出店すると途端にたくさんの従業員が訪れるなど人気を集めていました。また3日目にはパリの日仏文化会館でも販売。来場者が足を止め、鮮やかな色の和小物を手に取るなどして楽しんでいました。
「ほどーる」がフランスで販売した商品はブックカバー、きんちゃく、コサージュ、バッグインバッグ、タッセルなど10種類を計200品。このうちブックカバーは事前にフランスに訪れたことのある知人からフランスで出版された本を借り、本のサイズに合わせて製作。出国の前日まで製作作業に追われたと言います。
清水さんは「フランスでは本にブックカバーをする文化がないようで、認知度は低かったですが、使い方を紹介すると気に入ってもらえました。また色合いが明るい商品がとても好まれました」とフランスでも商品の手ごたえ感じた様子。一方で、「フランスの方々から『遠く離れても東北のみなさんのことを思って支えていきたい』との言葉を頂きました。3年たっても思ってくれていることはとてもありがたいことです」と感謝していました。
「東北マルシェ™」は昨年が初めての参加だった2人。現在も直営店はなく、気仙沼市内3店舗のほか、全国各地のイベントで知り合いを通じて商品を置いてもらっているそうです。フランスでの経験を糧に、今後も和小物作りに意欲を見せています。清水さんは「本場マルシェで学んだことを、気仙沼でも実践し、他の団体の皆さんと切磋琢磨することで、さらにより良いマルシェになると思います。気仙沼と言えばマルシェと言われるよう定着させていきたいです」と笑顔で話していました。
「フランスでの経験を気仙沼に」
3日目にパリの日仏文化会館で行われた東北復興応援イベント「After the Tsunami, Let’s Build the Japan of Tomorrow」のシンポジウムでは、ロクシタン本社会長のレイノルド・ガイガー氏、パリ日本文化会館の竹内佐和子館長とともに、ネットワークオレンジ代表の小野寺美厚さんとコンテストで準優勝したカネダイ事業責任者の熊谷公男さんが登壇しました。小野寺さんと熊谷さんは気仙沼の現状や被災地で生きる人々の苦悩、復興へと歩みを進める被災地の人たちの活動を力強く語りました。また改めて遠く離れたフランスで、たくさんの方々が被災地へ思いを寄せていることに深い感謝を示しました。
小野寺さんはフランス研修を振り返り、「本場マルシェでは例えば2種類のオリーブがあるとき、どの料理に合うのか、産地はどこなのかなど丁寧な説明がなされていました。接客する際にその商品の特徴や他の商品との違いを説明できることは、お客様の満足度にもつながると思います。こだわりを持った売り子からお客さんが商品を買いたくなる。東北マルシェはそういった集団を目指していきたいです。そのための店づくりのワークショップも今後は開催し、オリジナリティのある、日本では気仙沼でしかできないマルシェを開催したいです。将来的にはマルシェを中心とした障がい者雇用、学びの場、など複合的な役割を持つ拠点をつくりたいです。今回のフランス研修で夢が広がっています」と話していました。
年々盛り上がりを見せる「東北マルシェ™」。フランスでの経験を生かし、気仙沼の地場産業のさらなる発展に期待が寄せられています。ネットワークオレンジとの「NPOパートナー協働事業第5期」は2014年3月末で一端終了しますが、Civic Forceでは、今後もモニタリングなどを通じてサポートを続けていきます。