2015/06/25
東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島3県の学生を、奨学生とサポートプログラムで支援する「夢を応援プロジェクト」。奨学生の皆さんが2014年度を振り返り、「学んだこと」、「力を入れたこと」、「今伝えたいこと」などをテーマに課題作文を書いてもらいました。ここに、その一部を紹介します。
今回のテーマは「私の宝物」。どんな時も背中を押してくれる存在、普段は言えない「ありがとう」の言葉など、奨学生たちの思いを感じ取ることができます。(※学年の記載は2015年3月時点)
===========================================
「つながり」を大切にする看護師に―大学4年生/女性/宮城県出身・在住
私にとっての宝物は、人とのつながりです。実習やレポート、勉強で時間に追われ、慣れない病院という環境や患者様との関わり、生死と向き合う中で、なんとかやってこられたのは皆と支え合ってきたからだと思います。残りの1年は、普段言えない感謝の言葉や素直な気持ちを伝えていけるような年にしていきたいです。また、つながりを忘れず、大切にしながら、支えになれるような看護師を目指していきたいです。
父を失った時、支えてくれた友達―大学2年生/女性/宮城県出身・在住
『宝物』と言われて1番に頭に浮かんでくるものは家族や友達です。4年前の東日本大震災で私は父を失いました。現実が受け止められなくて毎日泣いていました。友達がいなければ、あの辛さを乗り越えられていないと思います。地元を離れ、家族や友達には頻繁には会えないですが、いつも支えてくれていることへの感謝の気持ちを忘れずに大切にしていきたいと思います。
いつも私の背中を押してくれた母―大学4年生/女性/宮城県出身
私の宝物は母です。物心がつく前から父親のいなかった私には、母が「母親」であるのと同時に「父親」でもありました。東日本大震災で環境が大きく変わったにも関わらず、母は「自分がやりたいことは最後までやりなさい」と言って東京の大学への進学を躊躇っていた私の背中を押してくれました。卒業したら、幼い頃あまり一緒に過ごせなかった時間を埋められるくらい、これからの時間を共に生きていきたいです。
たくさんの思い出をくれた南三陸町―専修学校1年/女性/宮城県出身
震災から今までの4年間、一度も南三陸町を忘れることがありませんでした。私は将来保育士になり、大好きな南三陸町で働きたいと思っています。震災後に減った子どもたちのキラキラした笑顔を、もう一度保育士として自分が引き出せたらと思っています。身近すぎて気づくことができなかった、大事な宝物に気づくきっかけを与えてくれたのは震災でした。私にたくさんの思い出をくれた故郷は一生の宝物です。
■奨学生たちへのご寄付の方法はこちら