2015/06/29
東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島3県の学生を、奨学生とサポートプログラムで支援する「夢を応援プロジェクト」。奨学生の皆さんが2014年度を振り返り、「学んだこと」、「力を入れたこと」、「今伝えたいこと」などをテーマに課題作文を書いてもらいました。ここに、その一部を紹介します。
今回のテーマは、「今、私が伝えたいこと」。夢に向かって歩みを進める姿や、伝えたい被災地の現状など奨学生の思いを感じ取ることができます。(※学年の記載は2015年3月時点)
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「恩返しは一流の美容師になること」―専修学校2年/女性/宮城県出身・在住
東日本大震災前から「学ぶ姿勢」が変わりました。私は皆様に応援されています。応援してくれている方々の事を思い出し熱心に学業に励む事が出来ています。私にできる恩返しは一流の美容師になることです。来年からは就職して働き始めます。震災直後から、「夢を応援基金」にはご支援をいただき、交流会などでも新しい出会いがあり、震災を忘れないような良い機会であり心のケアもできました。
「祖父母の住む釜石市箱崎町」―大学2年/男性/岩手県出身
私の地元は岩手県釜石市にあり、東日本大震災で甚大な被害を受けました。2019年ラグビーワールドカップの会場の一つとして釜石市が選ばれ、会場の建築や交通網の整備、ワールドカップに合わせ、復興のペースはさらに上がると考えられます。一方で私の祖父母の住む釜石市の箱崎町は、家屋があった場所は今や平地となり、雑草が生い茂っています。地方の町村では未だこのような状況にあることを被災地以外の人に知ってもらいたいです。
「今、私は幸せです」―専修学校3年/女性/宮城県出身・在住
震災から4年が経ちました。私は家族、ケンカ中だった親友、隣の家のおばあさんなどたくさんの人を東日本大震災で亡くしました。私は4ヶ月間、避難所生活を送り、その時に出会ったおばあさんと親しくなりました。そして今年移った集団移転先も同じで、毎日のように遊びに行ったり来たりしています。今、私は幸せです。過去を引きずって前に進めない時もありますが、少しずつプラスに考えられればいいと思います。
「芸術の力を信じて」―大学1年/女性/福島県出身
今日まで希望を失わずに夢に向かって歩み続けることができました。高校3年の夏、進路を大幅に変え留学を決意。韓国での2年間の留学生活で大きく成長できたと確信しています。また今年から韓国の芸術大学に再入学し、新たな出発を始めることになりました。震災後、私の心を癒し、支えてくれたのは芸術の力でした。芸術の力を通じて世界各国の人達が互いに理解し交流できる国際交流の場を設けたいというのが私の夢です。
「地域の復興に関わりたい」―大学2年/女性/岩手県出身
私は農業普及員という夢の実現に向かって一歩一歩進んでいます。私の地元である陸前高田市は農業に従事する若者が少なく、復興に向けた具体的なアイデアを提示できていません。それを改善するために、自分が大学で学んだことを少しでも生かす努力をしたいです。小さなアイデアでも復興という大きな希望の花を咲かせることに関わり、少しでも恩返しすることが出来るよう努力したいと思います。