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活動報告

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夢を応援プロジェクト

2014/05/29

【夢を応援プロジェクト】「後世に震災のことを伝えていく」―奨学生からのメッセージ2

(FB用)夢を応援プロジェクト.jpg東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島3県の学生を、奨学金とサポートプログラムで支援する「夢を応援プロジェクト」。奨学生に、2013年度を振り返って「最も印象に残ったこと」「学んだこと」「力を入れたこと」などをテーマに課題作文を書いてもらいました。ここに、その一部をご紹介します。

今回のテーマは「この1年で印象に残っていること」。被災地でのボランティア活動、海外での挑戦など多くのことを経験し、夢に向かって歩みだす姿を垣間見ることができます。(※学年の記載は2014年3月時点)

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初の世界大会で3位入賞、「夢は東京パラリンピックで金メダル」―大学3年生/宮城県出身・在住/女性

私は今年、やり投げで初めて世界大会に出場しました。大学に入学してから各地で行われる選考会に参加し、記録や結果が評価され日本代表に選ばれました。フランスのリヨンで開催された障害を持つ選手による陸上競技大会「IPC陸上競技世界選手権大会」に出場することができ、3位入賞、銅メダルを獲得することができました。しかし、世界の舞台で感じたことは、私はまだまだ未熟ということです。緊張してしまい自分の持つ力を最大限に発揮できず、自分自身の弱さに気付くことができました。私の夢はパラリンピックに出場することです。この1年間はその夢の実現により近づくことができた1年だったと実感しています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックも決まり、目標が「東京パラリンピックで金メダル」と明確になりました。大学生活も折り返しとなりましたが、勉強と同様に部活動に力を入れていきたいです。

 

「先に死んでしまった人達に申し訳ない」―大学2年生/岩手県出身・在住/男性

2013年の夏に宮城県石巻市で行われた「ウニまつり」にボランティアとして参加し、震災で被災した方々と交流したことが印象に残っています。会場では、運ばれてきたウニの箱詰めや販売を担当しました。休憩中、石巻で被災した方々と話す機会があり、私よりも辛い思いをした方がたくさんいることを知り、「なぜこんなに笑顔でいられるのですか?」と聞いてみると、「いつまでも落ち込んでいては先に死んでしまった人達に申し訳ない。その人達の分も一生懸命生きなきゃ。それに石巻が大好きだから自然と笑顔になっちゃうんだ」と笑顔を見せてくれました。石巻の方々から元気をもらい、私も将来は地元の陸前高田に帰り、みんなのため、故郷のために頑張りたいと思います。

 

「高校生だからできることを」―高校3年生/宮城県出身・在住/女性

8月にフィリピンでボランティアに参加しました。小学校の建設現場で屋根の色を塗り、壁に花や動物の絵を描いたほか、折り紙教室を開きクジラやセミなどの折り方を教えました。東日本大震災の被害状況について説明したところ、フィリピンでは1ペソ(日本円約2.3円)を募金してくださり集まったお金で仮設住宅に畳を送ってくれていたことを知りとても感動したのを覚えています。日本とは違い、フィリピンは貧富の差が激しく、私たちの当たり前の生活がどれだけ幸せなのか知ることができました。今回の活動を通し、人と人との繋がりの大切さ、そして今こうして暮らしていける大切さを改めて感じ、今後も高校生だからこそ出来ることを一生懸命やっていきたいです。

 

仲間と励まし合い「甲子園出場」―専修学校1年/岩手県出身・在住/男性

僕が所属していた花巻東高校の硬式野球部は、昨年、岩手県大会を制覇して甲子園出場を決めました。2年生の秋の県大会は1回戦で敗退。それから、どんなに練習が辛くても、負けた時の悔しさを思い出し、みんなで励まし合ってきました。その成果もあり優勝することができて本当に嬉しかったです。甲子園では1回戦、2回戦と順調に勝ち進み、とうとう準決勝を迎えました。準決勝では惜しくも敗退しましたが、それでも、2009年のベスト4と同じ記録を残すことができました。甲子園に花巻東ありという「記録」にも「記憶」にも残すことができたとともに、私も甲子園出場という経験をして、人としても大きく成長できたのではないかと思います。

 

フランスで感じた「日本とのつながり」―高校3年生/宮城県出身・在住/女性

高校1年生の春休みにフランスへの短期留学に参加しました。インターナショナルスクールを訪問したのですが、東北に向けての応援メッセージが壁一面に貼られているのを見てとても感動しました。またホームステイをさせていただいたホストファミリーは震災があった日本のことをとても心配してくれていました。遠く離れたフランスでも日本とのつながりを強く感じることができ、とても嬉しかったです。約2週間という短い間でしたが、留学により価値観が変わり、将来の目標ができました。大学では国際文化を学び、将来は国際交流の役に立つ仕事をしたいと思っています。

 

「後世に震災の出来事を伝えていく」―大学1年生/宮城県出身・在住/男性

徳島県で震災のことを話す講演会に参加しました。人前で震災のことを話してみると、涙が止まらず、同時に震災当時の様々な記憶がよみがえってきました。私が「南三陸町に関係のない人たちが、寒い中テントで暮らしながらもボランティア活動をしてくれていた」という話をした際に、高校生に「関係なくなんてない。みんな同じ日本人」と言っていただきました。私はその時にひどいことを言ったと後悔した反面、こんなことを言ってくれる高校生がいるのだと嬉しい気持ちになりました。あの震災を生きた私たちの使命は、後世に震災の出来事を伝え、二度と悲しむ人を出さないように津波の怖さを伝えることです。これからも私は震災を生き延びることができた人の使命を全うしていきたいと思います。

 

「アメリカでのインターンで成長」―大学3年生/福島県出身・在住/男性

 夏休みの2ヶ月間、アメリカでの短期留学に参加し、テキサス州にあるハウジング会社でインターンシップを行いました。海外に行くのは初めてで、最初は英語の訛りや緊張などでコミュニケーションが上手くとれず、他言語を話す難しさを痛感しました。しかし、日本とは全く異なるアメリカの文化に触れることで、幅広い観点から物事を見られるようになったと思います。その土地の文化や宗教によって人の考え方は大きく変わってくることも再認識できました。インターンシップの体験はひと回りもふた回りも自分のことを成長させてくれました。これからも様々なことに挑戦し、大きく成長できるよう励んでいきたいです。

 

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