アジアパシフィック アライアンス(A-PAD)のメンバーであるバングラデシュのダッカコミュニティ病院(Dhaka Community Hospital Trust、以下DCH Trust)は、地震により甚大な被害を受けたネパールに9人の医療チームを派遣し、支援の手が届いていない山間部でけが人の手当てを行っています。
チームはネパール保健省と連携し、カトマンズの南東30kmに位置するカヴレパランチョーク郡内の山間部、7つの村を中心に活動を開始しています。
山間部の集落の多くは山頂付近などに点在し、病院のある市街地までの移動には長時間を要します。DCH Trustはカヴレパランチョーク郡で地域の社会福祉団体の事務所を借り、診療所を開設。また、山間部のけが人の負担をできるだけ減らすため、医師が患者のいる村を訪ねるモバイルクリニック(移動診療所)活動を行っています。
地震発生から一週間以上が経過し、多くの人が食料不足による栄養不良や、屋外での避難生活による不眠などの体調不良を訴えています。そのため医療支援のニーズは非常に高く、5月3日には約250人、4日には約100人を診察。医療チームは痛み止めや抗生剤、下痢止め、水質浄化剤など約25種類、合計260キロの医薬品をバングラデシュより運び込み、各村での診療に当たっています。
DCH Trustのモスタファ氏は「村人たちのほとんどは家が倒壊し、屋外での避難生活を余儀なくされています。家を失った人々の中には、けがの手当てや抗生物質による適切な治療が受けられていない人が多く、早急な対応が必要な状況です」と語ります。
チームが4日に訪れたカヴレパランチョーク郡のポワ村(Powa Village)では多くの住民がチームを待っていました。人口約200人のこの村では、ほぼ9割の家が全半壊しましたが、これまで政府や、その他の支援団体による医療支援は入っておらず、けが人や体調不良を訴える人々が診察を受けました。
リラ バハドゥ セスタさん(70歳)は「崩れたレンガで腰と足をけがしました。痛み止めをもらうことができて、とても助かります。市街地から遠く離れたこの村にまで、隣国のバングラデシュから支援に来てくれて大変うれしいです」と話しました。
また、アミン パリヤールさん(24歳)は「地震によりほとんどの家が崩れ、みんな泣いていました。たくさんの人がけがをしましたが、村から病院までは遠すぎて、どうすることもできない状況でした。医療支援はとてもありがたいです」と感謝していました。
今回のネパール地震の被災者支援では、バングラデシュの医療チームのほか、A-PAD加盟国のスリランカ、インドネシアからメンバーが現地入りしています。またフィリピンや韓国のパートナーが各国で支援を呼びかけています。
また、A-PADではピースウィンズ・ジャパン(PWJ)と合同で、支援を必要とする被災者に食糧などの支援物資を配布する事業も展開しています。
ネパールの地震被災者のため、皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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