2015/05/21
前編に引き続き、AHAセンター日本研修の様子をお伝えします。
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Civic Forceと地域国際機関であるアジアパシフィックアライアンス(A-PAD)は5月11日より約1週間、インドネシアにあるASEAN防災人道支援調整センター(以下、AHAセンター)で学ぶASEAN加盟国8か国から合計16人の研修生を受け入れました。
一行は東北研修に続き、研修後半は阪神・淡路大震災から20年を迎えた神戸を訪問し、行政主導の復興事業の現状、地域の取り組みを視察しました。
「連携はより良い支援につながる」
神戸市では、総務省地域力創造アドバイザーの櫻井誠一氏、被災地NGO協働センターの村井雅清代表、兵庫県震災復興研究センターの出口俊一事務局長から、震災後の行政、NGOの役割についてお話し頂きました。
このうち、「日本における災害からの生活再建支援の仕組み」をテーマに、耐震設計の重要性や民間との連携について説明した櫻井氏は、「震災後、全国からたくさんの支援物資が届いたが、食糧、衣類が混ざった物資が多かった。市職員が徹夜で仕分け作業に当たったが、量が多く3日後には断念した。その際、物流会社に助けてもらい、効果的に仕分け作業が行われた。様々な分野の専門家、団体と連携して働くことでより良い支援につながると身をもって体験した」と他セクターとの協働の意義を強調しました。
そのほか、防災・減災の世界的拠点となることを目的に創設された「人と防災未来センター」では、震災後のまち、復興への道のジオラマ等を地元のボランティアの説明を受けながら視察しました。
「重要なのは日ごろからの備え」
大塚会長は「どこで、いつ、どんな災害があるのかを予測するのは難しい。もっとも重要なのは日ごろからの備え。日本では、医薬品、飲料食品、ロジスティクスなど様々な分野の会社や組織と、日ごろから緊急時の対応策を検討するように提言している」と説明。また、研修生からリーダーの責任について問われ、「あらゆる危機などのイレギュラーが発生しても逃げないこと。ただ、リーダー1人では何もできない。スタッフの適材適所を考えることが大切」と語りました。
「母国のために」
研修生のセオフィリス・ヤナートさん(インドネシア、38歳)は今回の研修を振り返り、「東北、神戸と震災を経験した地域を実際に訪問することで日本の防災について多くのことを学べた。インドネシアでは2004年に津波を経験したが、政府のその後の対応が不十分だった。今回日本で学んだことを母国のために役立てたい」と意気込みを語りました。
Civic Forceでは引き続き関係機関と連携を深めながら、アジア各国での防災能力の向上に寄与していきたいと考えています。