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活動報告

被災地を支援する

2017/06/30

【夢を応援プロジェクト】「生き方に正解はない」ー図書寄贈プログラム

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高校生や大学生にもっと読書の機会を提供しようと、Civic Forceは、2017 年2 月〜3 月、「夢を応援プロジェクト」の奨学生を対象に図書寄贈プログラムを実施しました。寄贈図書は、『コーヒーが冷めないうちに』、『嫌われる勇気』、『何者』など近年の話題作や、『影響力の武器』、『伝え方が9 割』、『7 つの習慣』といったビジネス書など15 タイトル。応募開始からこれまでに希望者全員計26人に希望の図書を進呈しました。


寄贈の条件として提出してもらった感想文の一部をご紹介します。以下は、2人の奨学生の感想文です。


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「生き方に正解はない」ー「コンビニ人間(村田沙耶香著)」を読んで

社会に存在する当たり前とはなんだろうか。結婚する、子供がいる、いい職につくなどがこの本では挙げられている。しかし、誰しもがその当たり前をできるわけではなく、それを幸せと感じるわけではない。主人公の恵子はそんな当たり前を世間の人と同じようにすることが出来ない。普通の人と少し違う感覚を持っている。どうすれば世間からおかしく見られないのか、どうすれば当たり前の中に自分も含まれるのか。家族や友達、コンビニの同僚をみて恵子は当たり前を演じようとする。しかし彼女は当たり前を演じ、18年続けたコンビニを辞めたことで自分にとって何が重要であるか気がつくのだ。

大人として当たり前のことはしなさいと言われてもできないひともいる。そうした人たちを私たちの社会は排除しようとする。私自身も自分が望まなくても排除されないために当たり前を身につけていくのだと思う。主人公は最後の方で「私の細胞全部が、コンビニのために存在しているんです」と話す場面がある。社会に認められなくても、自分はこれでいいんだと強い信念を表すシーンだ。この部分を読んで私は衝撃を受けた。この人は変だという感情もあったが、羨ましいとも感じたのだ。みんなと足並みを揃えられなくても自分が幸福を感じられる、自分にとっての生きがいを知っている主人公がすごいと思ったのだ。この本では普通=幸せと捉えている。社会は主人公の様な人やその他の変わった人々にとって生きにくい環境を作り上げている。私自身ももしかしたら生きにくい社会を作っている1人かもしれない。恵子の様な人を理解して、認めることが必要であり、そして生き方に正解はないのだとこの本を読んでいて感じた。

 

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留学先の韓国で ー「嫌われる勇気(岸見一郎著)」を読んで

実に正直でストレートなタイトルだ。留学先の韓国でも、知らない人はほとんどいないほどのベストセラーだ。教授に推薦されたこともあったが、韓国語で読む気にはなれず、なかなか手に取る機会がなかった。ついに本を受け取り、期待しながら最初のページをめくった。自分が思っていた以上に夢中になった。
実は、自己啓発本は苦手な方だった。美化された言葉でカモフラージュされ、悩みの根本を解決してくれるような本に出合えなかった。一方、この本では、実践できる具体的な方法を、簡潔明瞭でありながらも、説得力のある言葉でまとめられている。最初は受け入れがたい言葉も、本に登場する青年が自分の代わりになり絶えず悩み質問し、反論する過程を通しながら、段々と自分が心を開いていくのがわかった。真剣に自分と向き合う時間は久しぶりだった。大きな選択を迫られたとき、後悔しない自信があったはずなのに、ついつい後ろを向いてしまう時が多々あった。自分が選択した道なのに自分が信じられなくなり、弱音を吐きたくても必死に押し込んで見て見ぬふりをしていた。過去にとらわれず、何に意味を置くかによって変わっていくという目的論は、初めて自分にとって非難の言葉ではなく、気持ちを楽にしてくれる、救いの言葉となった。
留学後、周りとのレベルの差に嫌気が差し、自分に自信がなくなるにつれて、今まで気にしていなかった他人からの視線を嫌というほど意識し自己嫌悪に陥っていた自分に、一筋の光と勇気を与えてくれた。 世界は自分が思っているよりもっと明るく、希望に溢れている。本にある通り、「いま、ここ」にスポットライトをあて、自由で幸せな人生を自らが選択できるような自分に成長できるよう、これからも昇進していきたい。