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活動報告

被災地を支援する

2017/10/28

【熊本地震】「助け合ってきた村だから」ーNPOパートナー協働事業

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2016年4月の熊本地震発生から1年半以上が経ちました。被災地では今も4万5000人近く(9月末時点)が仮設住宅などで避難生活を続けています。

甚大な被害を受け一時孤立状態にあった西原村でも、住民の約5人に1人、459世帯・1246人が仮設住宅やみなし仮設住宅での暮らしを余儀なくされています。Civic ForceのNPOパートナー協働事業では、発災直後から西原村の災害ボランティアセンターの運営をサポートしてきた「被災地NGO恊働センター」とともに、西原村の復興を後押しししてきました。

そして、2017年4月からは西原村の住民らによって立ち上げられた「西原村Rebornネットワーク」を支援しています。集落ごとの寄り合いに参加しながら住民と一緒になって村の再建を目指す西原村Rebornネットワークは、震災後の復興まちづくりの経験を有する専門家を村に招いたり、他地域の被災地視察を企画。また、西原村で活動する8団体の調整役として、ネットワーク会議や住民向けのイベントの開催、地域の魅力を再発見してもらうための情報誌の発行などを続けています。

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村の再建に向けて尽力する西原村Rebornネットワーク代表の藤本延啓さん(右)と事務局長の齋藤敦子さんに、西原村の現状や復興に向けた思いを聞きました。

 

「”地元学”で地域の魅力発見につなげたい」ー藤本さん

「本業は熊本学園大学の教員です。熊本地震では、混乱のなか、縁あって西原村災害ボランティアセンターの統括として、全国から助けに来てくれたボランティアを受け入れ、農地の回復や壊れた家屋の清掃など支援を必要とする人とのマッチングを行いました。2016年11月、村のボラセンが閉じることになりましたが、西原村について考え話し合う場が引き続き必要だと感じ、西原村Rebornネットワークの立ち上げに至りました。本業や家族との生活と両立できるか不安もありましたが、甚大な被害にまだまだ支援を必要とする人、そして支援を続けたいと村に残ってくれる人がいます。

Rebornと名付けたのは、災害を経て新たに生まれ変わろうとの思いからです。例えば、地区や立場が異なる住民同士が互いの現状を知り、これからの道のりを確認し合うことを目的として「西原村復興座談会」を100人規模で開催しました。また、西原村でどんなふうに住みたいか、地域の住民が改めて村の魅力を発見するため、吉本哲郎氏の”地元学”のノウハウを生かしたワークショップも開いています。震災を機に生まれ変わるといっても、すごいことを成し遂げようとするのではなく、西原村にあったもともとの良さを活かしていけたらと思います」

 

「”助け合い”が暮らしのなかにある」ー斎藤さん

「神奈川県から西原村に移住して5年というタイミングで地震が起きました。自宅は被害を免れたこともあり、高齢者の多いこの村で自分にできることをしたいとボランティセンターの受付をお手伝いしました。”助け合い”が日々の暮らしのなかにある西原村では、災害のときに助け合うのは自然なこと。西原村Rebornネットワークの活動は、そんな助け合いの延長上にあります。異なる世代、移住者と先住者の間などで要望のすりあわせが難しいと感じることもありますが、今、改めて移住して良かったと思っています。人と人が深いコミュニケーションを重ねながら暮らす風土は魅力的で、異なる考えの人も互いを知りながら寄り添える感覚があります。微力ですが、大好きな村の人々に喜んでもらえる活動を続けていきたいです」