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活動報告

被災地を支援する

多目的・稼働型拠点提供事業

2011/06/09

6月8日(水)「数時間でもいいから一人で過ごしたい」-町職員の疲労

もうすぐ震災から3か月が過ぎようとしています。3か月前には雪や凍えるような日もあった三陸地域も今では梅雨入りし、このところ蒸し暑い毎日が続いています。

Civic Forceの活動の拠点である南三陸町では、仮設住宅への移転が進みつつありますが、依然として町内25か所の避難所に2,894名(6/7現在)の方がいらっしゃいます。この仮設住宅の用地確保から入居手続までの一連の業務、救援物資の受け入れと配布、がれき処理、り災証明書の発行や義捐金の支給、水道をはじめとするライフラインの復旧など、現在、町が取り組む業務や課題は膨大にあります。
また同時に、防災機能(防災無線、災害監視体制、河川・護岸堤防)や、医療・福祉・教育体制の応急的な復旧、産業の復旧や雇用の確保などにも取り組まなくてはなりません。

南三陸町では震災前に240名の職員が働いていましたが、39名の職員が今回の震災で死亡、行方不明となってしまいました。
震災の日から職員は不眠不休で業務にあたってきましたが、その疲労はピークに達していると、支援策の打ち合わせなどで日々職員と顔を合わせている私たちは感じています。
他の自治体から人員の派遣などの応援はありますが、通常業務に加えて生じた震災関連業務はあまりに多岐にわたり膨大であり、元々の町職員が減ってしまった中で、今も休日も働きながら(交代制)、町の復旧・復興にあたっています。

職員の多くも被災者です。
役場は津波で壊滅的な被害を受けたため、現在、プレハブの仮庁舎がベイサイドアリーナ近くのスポーツ交流村、テニスコート内に設置されていますが、避難所や居候をしている近くの親戚の家などから出勤する職員も少なくありません。町長もベイサイドアリーナ内にある執務室で寝起きをしています。また、生活の場でもある避難所内などでは、公私を問わず町民の方から期待や意見を受けています。

「誰にも会わないところで半日、数時間でもいいから一人で過ごしたい」
生活の場でも職場でもまったくプライバシーのない中で3か月間過ごしてきたとある職員の方が呟いていました。

町の復旧、復興にはこれから10年、それ以上とかかります。町に関わるすべての方々の力を結集して今後のまちづくりを進めていくためには、その中心となる町の職員の方々が継続的にかつ効果的に業務に取り組めるよう、その健康や環境に留意することも必要です。

Civic Forceでは少しでもこの職員の方々の現状を改善しようと、トレーラーハウス6台を町に無償貸与する予定です。このトレーラーハウスは庁舎の近くに設置し、災害対策本部の職員の方に利用していただくほか、医療従事者や消防職員の宿直施設として町では活用する方針です。数週間に1度でも就寝場所や休憩場所としてこのトレーラーハウスを交代で利用し、町の復旧・復興に全力で取り組む方々の精気を養う場になればと思います。

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(三陸地域に向かうトレーラー。現在、埼玉の倉庫で日本仕様に修理する作業や点検を行っています。)

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(トレーラーハウスは、全長10メートル程度の被牽引車で、キッチンや冷蔵庫、ベッドなどを完備した耐震型の可動式居住空間です。1台で3~4人程度の家族が生活でき、耐用年数は約20年です。)