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活動報告

被災地を支援する

NPOパートナー協働事業

2011/08/12

継続できる支援の仕組みを作り上げる―協働パートナー紹介

岩手県沿岸地域でのボランティア活動の後方支援拠点を、遠野市で展開する被災地NGO恊働センター(兵庫県神戸市)。阪神・淡路大震災からの復興支援で様々なノウハウを持つ被災地NGO恊働センターは、遠野市のボランティアセンターで、社会協議会や地元青年団、NPOなど約50の団体で組織される「まごころネット」の立ち上げにおいて、Civic Forceとの協働事業として中核的な役割で参画。沿岸部でガレキ撤去や炊き出しなどの支援活動を行う個人や団体ボランティアなど最大50 人の宿泊が可能な「まごころ寮」を、日本財団ROADプロジェクトと静岡県ボランティア協会などと立ち上げ、寮のルールづくりや管理体制のマネジメントに奔走しました。

寮の仕組みづくりを担当した末村さんは「魂は細部に宿るというように、細かいところをきっちり詰めないとスムーズに運営ができない」というモットーで、寮を利用するボランティアが能動的に動けるように工夫を凝らしました。片づけルールなどの決まりごとの表示方法などを試行錯誤するなど些細なことですが、それらを追求することで、運営スタッフの負担は減りました。4月8日の開所から4か月が経ち、寮の運営は地元で雇用スタッフに任せることができるようになりました。「支援を継続するには、地元の方々の協力が不可欠。経験のない方でもスムーズに運営ができるよう、しっかりとした基礎を作ろうと心がけました」。

被災地NGO恊働センターでは、東日本大震災に何かの形で関わろうとする自治体からの相談も積極的に引き受けます。まごころ寮がある遠野浄化センター内に7月24日、「かながわ金太郎ハウス」がオープンしました。同ハウスは、神奈川県が運営するかながわ県民活動サポートセンターを介して支援活動をしに来たボランティアたちの滞在拠点となります。被災地NGOセンターでは、被災地の情報提供のほか、ハウスの設立運営のアドバイスまで行いました。「被災地域が広範囲に渡る東日本大震災からの復興には、官と民、そして地域と地域との連携がもっと必要」と訴えます。

被災地NGO恊働センターの直営事業である「まけないぞう」つくりの環も広がっています。震災発生から間もない3月26日に岩手県大槌町に入り、避難所で「まけないぞう」つくりを始めました。初め、避難所には手工芸するムードはありませんでしたが、一人、二人と参加し、手を動かしてくれました。少しすると、ぞうづくりに夢中になって津波のことを忘れられる、と仲間が増えていきました。ぞうの作り方の指導に遠野市の婦人会の協力を得て、これまでに20か所以上の避難所で展開しました。1か所あたり10人以上が「まけないぞう」つくりに励んでいます。避難所で率先してぞうを作っていた方が、今度は仮設住宅で「まけないぞう」運動を広めています。

ぞうさんづくりも大盛況_s.jpg

まけないぞう運動を担当する被災地NGO恊働センターの増島さんは活動をこう説明します。「支援を受ける側の被災者の中には『ありがとう』を言い続けることにつかれている人もいます。支えられるだけでなく、どこかで自立したいと思っているんです。自分で作ったぞうを支援のお礼代わりに贈る方もいます。みんなで対等に支え合うことができるのが、『まけないぞう』運動です」。

被災地NGO恊働センターが手掛ける「まけないぞう」は、阪神・淡路大震災での支援活動を始めて以来、累計で15万頭が販売されました。多い時で、月に1万体が売れることも。被災地NGOセンターがタオルなどの材料を被災者に提供し、製品を引き取り販売。製作者は1体当たり100円の利益を受け取ります。現在は、注文に対して作り手の数がまだまだ少ない状況です。被災地NGO恊働センターでは、引き続き「まけないぞう」運動を広く展開し、被災者の自立をサポートします。

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 Civic Forceは同センターが、行政やNPO/NGO、市民などの間に立って、災害に強いまちづくりを提案するブレーンの役割を担うことにも期待しています。Civic Forceは知恵を集結する場所づくりで復興をサポートする被災地NGO恊働センターと共に活動し、支援のタスキを託します。