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活動報告

被災地を支援する

NPOパートナー協働事業

2011/11/15

仮設住宅住民の孤立化を防ぐ――協働パートナー紹介

Civic Forceは4月から、専門性のあるNPOや地元NPOと連携して被災者の生活再建を支援する「パートナー協働事業」を展開しています。今回は、Civic Forceのパートナーとして、仮設住宅住民の孤立化防止と自立を支援する地域コミュニティづくりに取り組む一般社団法人「気仙沼復興協会」を紹介します。

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「美容院を営んでいて、津波が来たときは従業員と一緒に必死に店舗の2階に逃げましたが、波に飲み込まれ気を失いました」「避難所生活は、なかなかプライバシーが確保できなかったので仮設住宅に来て少しほっとしています」――震災で甚大な被害を受けた気仙沼市。同市には、現在87ヶ所約3,400戸の仮設住宅に8,137人が暮らしていますが、各仮設住宅団地では最近、お茶を飲みながら、お互いの身の上話をする住民の姿が見られるようになりました。

震災によって、学校の体育館や地域の公民館などで避難生活をしていた住民は、5~6月頃、市内各地に建設された仮設住宅に移り、それぞれの生活を始めています。仕切った段ボールの一角に身を置き、大勢が寝食をともにしながら暮らす避難所に比べ、プライバシーを確保できる仮設住宅の環境は、生活再建に向けた大きな一歩と言われます。しかしながら、仮設住宅は、入居者本来の居住地にかかわりなく割り振られることもあり、家族や知人と離れて暮らす多くの被災者は、“孤独”を感じてしまいます。また、仮設への入居を境に、食事や物資の提供に区切りを付けられたり、生活費の支払いが発生するなど、より「自立」を求められるようになることで、将来への不安が増し、精神的に追い詰められてしまう人もいると言います。

こうした中、仮設住宅で暮らす住民の孤立化を防ごうと、仮設住宅の“見守り活動”を続けている団体があります。震災翌月の4月に、被災者が集まって設立された気仙沼復興協会(KRA)です。被災者自らが立ち上がり、職を失った気仙沼の人々の雇用促進事業を展開するNPOで、その福祉部では、各仮設住宅を巡回し、お茶会の開催や住民が企画したイベントの運営補助を行っています。知らない住民同士、集まって顔を合わせる場を提供し、それぞれの被災体験や将来の希望を共有することで、被災者間の絆の再生と新たな地域コミュニティづくりを目指しています。

Civic Forceとの協働事業が開始された10月からはスタッフを増員して訪問頻度を上げ、10月は気仙沼市内全87ヶ所中62ヶ所の仮設住宅団地でお茶会や地域イベントを実施。合計2,364人が参加し、活動の輪が徐々に広がっています。回数を重ねるごとに住民の方々の話が前向きになっており、「次回はいつきてくれるの?」と手作りの料理や漬物を持参してお茶会を心待ちにする方、手芸やカラオケ、将棋など自分の得意分野で先生役を買って出る方もいます。

「震災や病気の話を親身になって聞いてもらえたことが本当に嬉しかった」という声もありました。ある仮設住宅では、1回目のお茶会でスタッフの介添えなしには会場へ来られなかった目の不自由な方が、2回目のお茶会ではスロープをつたって自分の力で歩いてきたといいます。「1回目のお茶会で話を聞いてもらえたことが嬉しく、2回目はKRAスタッフに迷惑をかけないようにしたかった」と、一人で歩く練習をしていたとのことです。このほか、普段お茶会に参加しない男性も積極的に「落語会」や「芋煮会」の準備を手伝ってくれるなど、仮設住宅住民が主体的に運営にかかわることで自立的なコミュニティの形成が一歩一歩進んでいます。

他方、仮設住宅が抱える問題は決して少なくありません。例えば、郊外の小規模仮設住宅には、復興計画などの情報が十分に届いておらず、ひきこもりがちのお年寄りにはきめ細かい声掛けが必要です。また、東北の厳しい寒さ対策も急務です。気仙沼復興協会は、仮設住宅が抱える問題を日々の活動を通じてあぶり出し、その解決に向けて行政や協力団体、そして仮設住宅住民の方々と緊密に連携しながら、今後も一日も早い復興に向けて活動していきます。

DSCF1137.JPG

(仮設住宅で実施されるお茶会は、震災や病気の話など被災者

間の情報共有の場となっています)