災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

HOME 活動報告 被災地を支援する 東日本大震災支援事業 NPOパートナー協働事業 6月3日(金) 支援が届きにくい人にこそ―協働パートナー紹介

活動報告

被災地を支援する

NPOパートナー協働事業

2011/06/06

6月3日(金) 支援が届きにくい人にこそ―協働パートナー紹介

「被災地はテレビで見たもの以上だった。津波の恐怖を身近に感じて、言葉が出なかった」

5月26日、協働パートナーである難民支援協会(東京都新宿区)は、都内で活動報告会を開催しました。岩手県陸前高田市でのボランティア活動に参加したミャンマー難民のミョウ・ミン・スゥエさんなどが、現地の活動をレポートしました。

 06010.jpg

(活動報告会の様子)

ミョウさんは1988年の民主化運動に参加したことから国を追われ、日本にたどり着きました。難民認定を受け、日本には20年以上滞在しており「日本は自分のふるさと」と言います。住まいのある東京で大震災を経験して以来、被災地に何かできればと考えていました。難民支援協会ではミョウさんら難民たちから上がった声を元に、被災地へのボランティア派遣を企画。ミョウさんは4/28~5/3の5日間、陸前高田市にてイチゴ農家のビニールハウスの片付けや泥撤去作業に従事してきました。イチゴ農家での活動では、自分が難民であることを被災者の方々に打ち明け、難民と被災者との双方で苦労話をしました。

06012.jpg

(陸前高田市の様子)

「自分は人災で国外に避難せざるを得なかったが、憎む相手がいて、彼らに怒りをぶつけることができる。でも、津波は天災。天災に遭ったイチゴ農家のお父さんは何のせいにもできない。本当に大変だと思います。お互いに涙を流し、ハグしてきました」

約20人のボランティア参加者は花巻市内のキャンプ場を拠点に活動を展開。食事などは各自で用意する必要がありましたが、難民や外国人留学生が自国の料理を披露し合うなど、ボランティア同士で交流を図る機会にも恵まれました。日本人の参加者からも難民に対する偏見を払拭する良い機会になったという声が寄せられました。ミョウさんは「現地で『陸前高田市を第三のふるさとにさせてください』と言ってきました。6月にもう一度ボランティアに参加してきます」と次なる活動に意欲を見せます。5/26までに139人のボランティア(うち難民ボランティアは10%程度)が、陸前高田市に派遣されています。

06013.jpg

(キャンプ場での宿泊で、ボランティア参加者同士も交流を深める)

支援が届きにくい人に焦点を当てる―。これまでの難民支援のノウハウが活きた活動もあります。

難民支援協会では、日本人男性と結婚して宮城県気仙沼市や岩手県大船渡市に暮らすフィリピン人女性たち約110人に対して、食料などの物資支援や、生活相談を行いました。

Eさん宅は、夫が震災の影響で失業し、経済的に困窮。ガソリンや食料が買えず、今後の生活について不安を抱えていました。難民支援協会では、食料と日本語とタガログ語が併記された情報ハンドブックを届け、岩手県花巻市出身の助産師が体調管理などのアドバイスをしました。Eさんは相談者が来てくれたことで、安心感からか目に涙をためて悩みを打ち明けてくれました。緊急時に、弱い立場に追いやられてしまう外国人女性たち。難民支援協会では、今後も継続的に支援していく考えです。

Civic Forceと難民支援協会との協働事業による相乗効果で、外国人女性や難民などの社会的弱者からボランティア派遣まで、幅広く活動することができました。今後もCivic Forceでは、お互いの持つ長所を引き出すパートナー協働事業を広く展開していきます。