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活動報告

被災地を支援する

2012/06/01

「島民の応援がランナーの後押しに」――気仙沼大島ランフェスタ終了

東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市の有人離島「大島」で、2012年5月27日、「気仙沼大島ランフェスタ」が開催されました。島内外から約2,000人が集まったこの大会は、「島の魅力をもう一度全国の人に知ってもらいたい」という島民の思いと、島を応援する人々の「被災地のために何かしたい」との願いが詰まった復興イベントとなりました。

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resizeSTARTDSC04401.jpg大会当日、真っ青に晴れ渡る空の下、約1,200人のランナーがスタート地点である「大島ふれあい広場」に集まりました。このうち約7割のランナーは東北以外の全国各地から参加しており、前日から島内の民宿や周辺の気仙沼市(本土)、一関市などに宿泊し、この日が来るのを待ち望んでいました。

気仙沼大島ランフェスタのマラソンコースは、ハーフ(21キロ)と10キロの2つのコースがあります。いずれもスタート後、海を右手に見ながらしばらくゆるやかな上り坂を走り、島のメインストリートに出て直進。標高235m の「亀山」や全国“快水浴場百選”2位の「小田の浜海水浴場」を眺めながら、大島の魅力をたっぷり堪能できるコースとなっています。また、津波で破壊された建物や車などがれきが置かれた場所も通り、震災の爪跡を垣間見る道もあります。

この大島のコースはアップダウンが多く、少しきつい道程だったようですが、応援に駆け付けた島の人たちと沿道で“ハイタッチ”しながら「島の人やボランティアの方々の応援が後押しになった」と話すランナーたち。また、コース内5カ所に設置された給水所では、スポーツドリンクや水だけでなくバナナや島の人たちがつくった塩漬けのキュウリが配られました。

前日に関東から大島入りしたという5人のグループは、昨年夏に大島でがれき撤去のボランティアに参加して以来、毎月大島を訪れており、「今回の大会はこれまでのボランティア活動の延長線上にある。ボランティアで知り合った仲間と一緒に島で走れることが嬉しい」と話していました。

震災直後、離島のため外からの支援が遅れた大島では、島の住人自らが災害対策本部を設置して全国から独自にボランティアを受け入れ、島内のがれき撤去や家屋の片付け、漁業支援などを進めてきました。今回のランフェスタには、これまでにボランティアとして大島を訪れた人も多く、「再び大島に来る貴重な機会になった」「島の人ともう一度会えて元気な姿を見て安心した」「震災直後に比べてがれきが減り、道もきれいに舗装され島の復興を肌で感じることができた」など、島の人々との再会を楽しみにしていたようです。

resizeHOYADSC09684.jpg中にはさまざまなコスチュームを着て走るランナーも多く、気仙沼名物ふかひれを模したサメや宮城県観光PRキャラクター「むすび丸」、気仙沼の観光キャラクター「ホヤボーヤ」など、復興マラソンを意識した被り物を身にまとっている人もいました。

汗びっしょりになりながら走り終えたランナーたちを出迎えたのは、地元婦人会のお母さんたちが作ったワカメ汁や島の漁師たちがふるまうまぐろのかぶと焼き、地元の食材をふんだんに使った復興商店街のお弁当など、数日前から大会に向けて準備を進めてきた島内外のメンバーです。また、ステージでは、島の子どもたちによる和太鼓の演奏や芸人・アーティストによるショーも披露され、大会を盛り上げました。

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元気いっぱいにワカメ汁を配る婦人会のメンバーは「島の暮らしが元通りになるにはまだ時間がかかりますが、これまで支援してくれた全国の人たちに復興の姿を少しでも見てもらえたら。これからも元気にがんばります」と笑顔で語ってくれました。

観光と漁業の島として、震災以前は全国から多数の観光客が訪れていた気仙沼大島。昨年3月11日の震災では25人が亡くなり未だ6人が行方不明と言われ、生き残った人々の生活や心の回復にはまだまだ長い年月がかかります。「気仙沼大島ランフェスタ」は、そんな島の復興を後押しするとともに、これまで島をサポートしてくれた全国の人々への恩返しの気持ちを示したい、と島民の発案で始まりました。

運営に当たっては、島民をはじめ、島内外の企業・団体、ボランティアなど多くの人々が協力し、大会の成功に向けて奮闘してきました。

昨年4月から「NPOパートナー協働事業」を続けてきたCivic Forceは、今回、ランフェスタ実行委員会をパートナーに、同委員会をサポートする形でこの大会に協力してきました。今後も、島の人々や島を応援する人々の声を聞きながら、引き続き復興の後押しとなる活動を続けていきます。

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大会に関する詳細はこちらをご覧ください

http://oshima-runfes.jp/

http://www.civic-force.org/activity/activity-881.php