2013/09/02
8月中旬に発生した台風12号による豪雨の影響で、フィリピン・マニラ首都圏を含むルソン島西南部地域で大規模な洪水が発生し、今も20万人以上の人々が避難生活を強いられています。
Civic Forceは、アジアパシフィック アライアンスのメンバーとして、いち早く支援活動を開始したフィリピンのパートナーNGO「CDRC(Citizens’ Disaster Response Center)」と情報交換を続け、8月30日からルソン島にスタッフを派遣。CDRCと協力して、緊急支援物資の配布を開始しました。
今回の事業対象地は、CDRCとその地域支部「Regional Cente(RC)」、地元住民組織「people's organization (PO)」が洪水直後に行ったニーズ調査に基づき、メトロマニラ州と、中部ルソンに位置するタルラック州、サンバレス州、ヌエヴァ・エシハ州の4州に設定しています。また、事業実施にあたっては、被災地域における地区別の住民組織POで選出された代表者が被災者数の確認、被災状況の報告を行い、地域毎の支部RCに報告し、CDRC本部で集約するという仕組みで行っています。
なお、本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しており、被災地での物資配布・モニタリングにあたっては、ピースウィンズ・ジャパンと協力しています。
以下は、8月30日からルソン島に派遣中のCivic Forceスタッフからの報告レポートです。
===========================
8月30日にマニラ到着後、CDRCとミーティングを行い、31日から物資の買い付けとパッキングを開始しました。CDRCによれば、被災地では食糧が不足しているため、米や豆、乾燥魚、イワシの缶詰、クッキングオイルなどを詰めた緊急支援物資を家族ごとに配布します。物資の中身は、CDRCと地元住民組織の調整によって、1パック=1世帯6人あたり1週間相当を標準物資として定めています。
そして、9月2日から車で片道5時間かけて、まずサンバレス州に向かい、特に政府の支援が届きにくい地域の一つであるサンタクルス市のパムノラン村で、200世帯に物資を配布しました。この村では避難所となる場所はなく、被災した人たちは仕方なく、壊れた家の近くの場所に戻って野宿のような生活を続けています。村の人によれば、「洪水が起こったとき、1.2メートル以上の高さまで水位が上がった」と言います。この村は農村地のため、洪水が起きる前は、ほとんどの家族が畑で作物を育てて生活していましたが、赤色汚染された洪水で農作物が使えなくなってしまったそうです。
また、川に近いマシンロク市サン・ロレンソ村でも200世帯に物資を配りました。村の人は、「大雨で川が氾濫し、頭の高さまで水位が上がった」と話していました。
明日9月3日は、首都マニラの北東に隣接するケソン市で、緊急支援物資の配布を予定しています。
Ms.Yralyn Kaye Quiban @サンバレス州
(写真右)乾燥魚を小分けの袋に入れるフィリピンの学生ボランティア。米や豆、缶詰などとともに一つの袋に詰められ、世帯ごとに配布します。
(写真左)サンバレス州で被災者に緊急支援物資を配布するCivic Forceスタッフ