2011/07/19
17日、気仙沼市大島に電動スクーターが10台届きました。今回の津波で車を失った方が多いことから、Civic Forceではオートトレーディング ルフト ジャパン(名古屋市)から無償提供いただいた電動スクーターを
、大島復興チーム(おバカ隊)に無償貸与するものとして手配してきました。3か所の仮設住宅があるうち、1か所は町の中心部から遠く、ちょっとした移動も車なしでは大変です。自転車での移動は起伏が激しい地域で、加えて年配の方も多いので、普通自動車免許で乗ることができる電動スクーターは、仮設住宅入居者の生活の足として活用していただける見込みです。また、ガソリンに頼ることなく原動力を確保できることも利点です。
(電動スクーターは、一時的にコンテナハウスで保管。20日の業者さんによる使い方の説明の後、避難所に分配されます)
東日本大震災では岩手、宮城、福島3県の推計で、津波被害を受けた自動車は少なくとも23万台に上ると言います。宮城県によると、気仙沼市・南三陸町での被災自動車台数は推計で1万9000台。被災地域ではどこも中古車は品薄で、なかなか手に入らない状況です。被災して一時的に移転している学校への通学には、各家庭で送迎ができず、旅客用の大型バスがスクールバスとして狭い市街地の道路を走っています。道路の復旧が急ピッチで進み、仙台から青森までをつなぐ国道45号線で崩落した橋梁については、10日までにすべて仮橋が設置されました。狭い迂回路と増える工事車両で渋滞が各地で起こっていましたが、現在はガレキ置き場へ向かうダンプカー渋滞を除けば、車の流れは幾分かスムーズになりました。ただ、交通の血管である道路状況が改善する一方で、その血液ともなる車が不足している感は否めません。
一人あたりの車の保有台数が多かった気仙沼大島の住民たちも、今回の津波被害で痛手を負いました。市内に仕事通いをしていた人は、大島側に1台、気仙沼(本土)側に1台と一人で2台の車を保有している方がほとんどでした。津波で2台とも車が流されてしまった人もいます。たとえ一台車を保有していても、カーフェリーは連日工事車両でいっぱいで予約が取れないことも増えています。大島と気仙沼市間の普通車往復料金5040円も大きな負担です(震災後再就航した当初は、Civic Forceが燃料費を負担し、利用料を半額にして復旧を後押ししました)。
現在、Civic Forceでは気仙沼市大島の住民の生活利便性を改善できるよう、カーシェアリング事業を始める準備をしています。生活支援として、大島と気仙沼にそれぞれ車を置き、病院や役所への移動や買い物に使っていただけるようにと準備を進めています。
気仙沼市大島では、震災直後に交通手段が寸断され孤立した経験から、食料や生活用品の備蓄を進めるとともに、移動手段を含む生活インフラについては震災前よりも重要視するようになっています。Civic Forceでは、災害時へ気仙沼市大島カーフェリーなどの主要な交通インフラから、市民の生活の足まで、気仙沼市大島での交通手段の充実を下支えしていきます。