災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

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2011/07/15

エマージェンシーテントの活躍

Civic Forceでは震災直後から被災地にエマージェンシーテントを導入し、様々なかたちで活用してきました。エマージェンシーテントとは、自然災害発生時に被災地での寝泊りや雨風をしのぐために多目的に使用できる災害時避難テントです。

Civic Forceのエマージェンシーテントは、床面積3m×5.5m(たたみ約10畳分)、高さ2.1m、1家族6名程度の収容が可能な大きさです。これは、国連機関が採用している仕様と同じスペックになります。また、重さ約30kgのテントは折り畳み式で、短時間で設置が可能です。
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(左:エマージェンシーテント 右:2009年のフィリピン台風被災者支援の際には現地に100張を設置)

Civic Forceではこれらのエマージェンシーテントを災害発生時に備えて備蓄しており、発災直後の3月12日には、テントの保管先の静岡県袋井市から茨城県のヘリポートまで搬送し、その後ヘリコプターで被災地に運びました。袋井市は、Civic Forceと災害時応援協定を結んでおり、保管場所を提供してくださっているほか、東海地震などに備えて市が所有しているエマージェンシーテントやバルーンシェルターも今回、ご提供いただきました。
今回の東日本大震災支援においては、これらの従前からのCivic Force所有の備蓄用テントや袋井市提供のテントに加えて、被災地でのニーズを受けて、新たにテントを購入しました。

震災直後に被災地に運ばれたテントは、様々な用途で活躍しました。
まず、パートナー団体のピースウィンズジャパンに提供した2張のテントは、震災直後の通信環境の整わない中で、被災者に対し衛星電話の回線を無料開放するサービスを行う拠点として、活用されました。当時、約700名が避難している気仙沼市立気仙沼中学校において、家族の安否を確認するため、また被災者自身の生存を伝えるために、この通信環境のサービスには多くの被災者が利用のために行列を作ったときいています。

また、エマージェンシーテントは手作りお風呂用としても活躍しました。具体的には、南三陸町の荒砥地区の手作りお風呂で、脱衣所として利用されています。
3月下旬からCivic Forceが南三陸町内で設置した手作りお風呂は、お風呂に入れていない被災地の方々のためにいち早く提供するため、その場で集められる資材で作り上げました。周辺の建物が倒壊して使用できない中、簡易に組立てができるエマージェンシーテントは、お風呂の建屋として有用であり、また、一度、道向かいの場所へのお風呂の移動が必要になりましたが、可動式のテントであったため、移動作業をすぐに行うことができました。
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(荒砥地区のエマージェンシーテントを利用した手作りお風呂)

その他、ご遺体の安置所として使用するために、震災直後、南三陸町に多くのテントを提供しました。

さらに、ボランティアの寝泊りの場所としてもエマージェンシーテントは有効です。Civic Forceでは2張のテントを南三陸町のボランティアセンターに提供し、現在も使用されています。
依然として、被災地ではガレキや泥撤去などの作業にボランティアの力を必要としておりますが、今後、夏休みシーズンにかけて、学生などを中心にボランティアに来る人が増えると見込んでいます。ボランティアセンターではそれに備えて多くのボランティアが寝泊りできる場を必要としていますが、Civic Forceではこのニーズに応え、テントを同センターにさらに提供する予定です。

また、エマージェンシーテントは今後、個人の住宅などで修繕や改築を行う際に倉庫や資材置き場として利用できるように、市や町と相談をしながら貸し出すことも考えています。

Civic Forceが今回の東日本大震災の支援に関して活用するエマージェンシーテントは合わせて約1200張になります。震災直後から様々な緊急目的に活躍していますが、引き続き被災地での強いニーズに応えていきます。