【熊本地震】「連携の力」で “見えにくい被災者”を支える支援
発災から3週間。避難所における物資支援は充足しつつある一方で、在宅避難をされている方々の状況は「外から見えにくい」という課題があります。Civic Forceでは、これまで培ってきた様々な団体とのつながりを生かし、避難所の外にも支援の手を広げる取り組みを進めています。
2026年8月19日、八代市と宇城市の3カ所へ支援物資をお届けしました。連日の酷暑が続く中、被災した方々の暮らしを支えるため、それぞれの現場で様々な団体が必要とされる支援を展開しています。現場レポートをお届けします。

最初に訪れたのは、八代市の鏡ヶ池公園で洗濯・お風呂・シャワーブースの支援を展開している一般社団法人BIG UP石巻の拠点です。被害の大きかった八代市鏡町の一部地域では今も断水が続いているため、BIG UP石巻ではお風呂やシャワー、洗濯を必要とする被災者のための洗い場を設置しています。「身体や髪を洗うための物資や洗濯用洗剤が急ぎ必要」とお聞きし、この日、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗濯洗剤(界面活性剤不使用のものを含む)を調達してお届けしました。

「今すぐ必要な物資をすぐに届けてもらえてとても助かった」と話すのは、BIG UP石巻の原田豊さん。原田さんらは東日本大震災など過去の災害の経験をもとに、今回の熊本地震でもいち早く支援活動を開始しました。公園の敷地内にはシャワーや洗濯用の水を貯める大きな水槽やシャワー3台、洗濯機の設置作業などが進められていました。
被災地では徐々に水道の復旧が進んでいますが、水道管や配管が壊れて水が漏れ出るなどの事態も発生しています。「直したいけれど水道業者がなかなかつかまらない」「本当の意味で水道が復旧するのはいつになるのか...」という声も聞こえてきます。BIG UP石巻とCivic Forceは2024年の能登半島地震でも被災地のお風呂支援で協力しましたが、熊本地震の被災地でも、今まさに水回りの支援がとても重要です。引き続き、切迫するニーズに応じた活動を各地で展開する団体と連携しながら、必要な物資やサービスをタイムリーに届けていきます。

続いて、宇城市松橋町にある西岡ミチ子さんのご自宅に伺いました。西岡さんは今回の災害でご自宅の一部が損壊する被害を受けましたが、在宅避難をされている方などに向けてご自宅の一室を開放。物資置き場として多くの人に利用されています。今回は、野菜ジュース4ケース、オレンジジュース6ケース、ヒヤロン1ケース、ボディシート1ケース、冷タオル1ケースをお届けしました。
西岡ミチ子さんは長年にわたって市の議員を務め、83歳となる現在も地域活動に力を尽くしています。10年前の熊本地震で被災を経験し、その教訓をもとに「自分の身は自分で守る」という強い意志のもと、日頃から防災に備えた活動を実践し、その取り組みを地域に広める活動を続けてきました。3年前には、高齢化にともない停滞していた自治会活動を、「防災と要配慮者訪問」を軸とした活動へと再編しようと総会で提案。ご近所を見守る女性グループリーダーを10人選出し、44戸それぞれの状況を把握できる体制を整えてきました。

さらに、今回の地震後、緊急連絡先やかかりつけ医などを記した「防災カード」を手作りし、全戸に配布するなど、自助と共助を結びつける独自の取り組みを実施。昨年は、非常食の炊き出し訓練や、地域の消火栓・ホースの位置を確認する活動も行いました。
今回の地震後、西岡さんは特に災害ゴミのトリアージに気を配り、廃棄する家財と、そうでない家財が一目で分かるように、赤と緑のテープで色分けして貼り付けたそうです。「そうすることで、引き取りに来てくださる業者の方が作業しやすいですから。支援を受ける側だけでなく、支援してくださる方の立場に立った準備も大事だと思っています」と西岡さん。
「自然災害は突然やってくるけれど、超えられない山はありません。経験したことを子どもや孫たちにきちんと伝えていくため、日々防災について考え、活動しています。備えがあれば防げることもありますから」。そう語る西岡さんの力強いメッセージに、私たちも勇気づけられました。

さらに、宇城市宇城地区で物資配布所を運営する「うき真心(まごころ)の会」に、野菜ジュース4ケース、オレンジジュース6ケース、ヒヤロン1ケース、ボディシート1ケース、冷タオル1ケース、スポーツドリンク5ケースをお届けしました。
同会で物資の受け入れを担当している村上真由子さんは、ご自身も被災してしまいましたが、物資配布所を開設し、在宅避難されている方々へ生活用品や食料、暑さ対策の物資などを手渡しています。
在宅避難者の状況は外から見えにくいことが多い中、同会は「表に出にくいニーズに応えたい」という思いで活動しています。
一時期は、朝はパン1つ、昼はおにぎり1つ、夜はお弁当1つという厳しい食料供給事情が続いていたそうで、多くの方が食事面で不安やストレスを抱えていたといいます。配布所に来る方の中には、「車がない近所の人のために」と物資を持っていく人もいて、皆さんそれぞれが助け合いながら厳しい被災生活に耐えています。
私たちが到着した際、村上さんは涙ぐみながら、「すぐに駆けつけてくださり、本当にありがたいです。電気などは復旧していますが、いまだに水が出ない地域もあり、多くの方が様々な課題を抱えていて大変な状況が続いています」と、被災当時の状況や、地域の皆さんが日々どのように過ごしているかを丁寧に教えてくれました。
厳しい状況の中でも、地域一体となって支え合いながら乗り越えていこうとするたくましい姿勢に、こちらが元気をもらいました。

今回訪れた3カ所では、遠方から駆けつけて支援を続ける方、そしてご自身が被災しながらも誰かのために力を尽くそうとする方々の思いを強く感じました。一人ひとりの努力と忍耐、そして「誰かの力になりたい」という思いが少しずつ広がり、地域を守る力につながっています。自然災害とどう向き合うかは日本全体の課題ですが、それぞれが自らの経験やできることを生かし、各地で復旧・復興への歩みを進めています。

今後、インフラや生活の形が元通りになるにつれ、被災者の皆さんが抱える困りごとや支援の必要性が見えにくくなる「ニーズの潜在化」が起きがちですが、私たちは被災した各地で活動する皆さんと連携しながら必要なサポートを続けていきます
被災地へのご支援をお願いいたします
■三井住友銀行 青山支店 普通 口座番号 7086642
■ゆうちょ銀行 口座番号00140-6-361805 (通信欄に「熊本地震2026」と明記ください)
口座名義は上記いずれも公益社団法人Civic Force シャ)シビックフォース
※指定寄付のうち、15%を上限に運営費として活用し、残り金額はすべて事業費にあてさせていただきます。
https://bokinchan3.com/civicforce/donation/bokin/page2.php?pm_type=cvs
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