【能登半島地震】被災地に笑顔戻る「宝立かるた」
能登半島地震の発生からまもなく1年10カ月。Civic Force(シビックフォース)は、被災地での中長期的な復興をサポートする「NPOパートナー協働事業」を、地震被害を受けた各地で進めています。

そのうちの一つ、石川県珠洲市の宝立(ほうりゅう)地区で活動している任意団体「自由研究」は、被災者が集う場所として開放しているコミュニティスペース「本町ステーション」の運営や震災におけるデジタルアーカイブプロジェクト、被災者や震災の関係者に話を聞くインターネットラジオ局「本町ラジオ」など、様々な活動を続けています。活動の一環として、拠点となる本町ステーションで9月15日、宝立地区の歴史や観光地などを散りばめて作った「かるた」を使って大会を開き、被災者同士が交流を深めました。
「宝立かるた」は、東京の団体「みききする能登」のメンバーが2025年春から数回、宝立地区を訪れて、被災者などから聞き取り制作したものです。かるたは被災者も一緒に作ったそうで、ほぼ五十音別となっています。
「小屋(おや)ダムは珠洲の水がめいこいの場」、「夏休み泳いで目指した見附島(みつけじま)」など、歴史や風習が多く表現され、地元の人たちでも楽しめるかるたに仕上がりました。また、宝立地区の姿をただ「かるた」に残すだけではなく、被災者が負った心の傷を癒やしてほしいとの願いも込められています。


「かるた大会」には、近くの仮設住宅をはじめ被災者ら約25人が参加しました。「みききする能登」と交流がある「チンドン!あづまや」の3人が、まず見事な音色を奏でて会場を盛り上げます。大会が始まると参加者らは、札を読み上げる声に耳を傾けながら、見つけると「はい」と大きな声で札を取り、童心に帰って楽しんでいました。
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参加者は「作る過程から参加できて楽しかった」「こんなに笑ったのは久しぶりだった。ここは気軽に来られる場所なので、また来たい」と笑顔で語りました。会場の本町ステーションは被災した方も自主的に運営を手伝っています。今回のかるた大会が、自由研究の活動の源となる「被災者の交流の輪」をさらに広げたようです。

被災地の姿を多くの人に知ってもらおうと「宝立かるた」は今後、「みききする能登」の拠点である東京などでも紹介される予定です。会場の本町ステーションを運営している自由研究の代表、松田咲香さんは、「この場所で、多くの被災者が笑顔になってほしい。今後は、インターネットで発信する本町ラジオの活動を本格化させ珠洲の、宝立の今をたくさんの人に知ってもらいたい」と意気込んでいました。

Civic Forceは、支援を必要としている声にしっかりと耳を傾けて、必要な支援を迅速に届けられる活動を続けていきます。
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