作業所の再開に向けて めぐみ会との「NPOパートナー協働事業」開始
「障がいのある人も地域で安心して働き、暮らせるまちをつくりたい」。そんな思いで、障がいのある人の就労支援を続ける団体があります。静岡県熱海市で「心象めぐみ会共同作業所」を運営するNPO法人めぐみ会です。地域の企業などから清掃や印刷、内職などを請け負い、利用者の日常生活訓練や作業指導を行っているほか、エコバックや民芸小物などを製作し常設店や各種イベントで販売しています。
2021年7月3日、続く大雨により突然発生した大規模な土石流が、利用者やその家族の生活を一変させました。作業所がある岸谷(きだに)地区は、最も甚大な被害を受けた地区の一つ。作業所は幸いにも建物の被災を免れましたが、敷地は立ち入り禁止区域となり、捜索活動に従事した消防の待機所として使用されました。休業を余儀なくされためぐみ会の利用者17人は、自宅待機が続いたことで、生活のリズムが乱れ、心身に大きな影響を受け家族の負担も増大してしまいました。
「一刻も早く作業所を再開したい」。そう考えためぐみ会では、発災からわずか10日後に事業を再開。熱海駅前にある熱海第一ビルから支援の申し出があり、7月13日から同ビルの会議室を一時的に無償で利用しています。しかし、会議室は作業所より狭く、印刷用の機械は持ち込めないため、印刷の仕事の一部は再開できていません。また、被災地には大量の土砂やガレキが残っているため、伊豆山地区のさまざまな場所で行っていた清掃の仕事も一部しか再開できずにいました。さらに、就労支援施設は、利用者の通所日数に応じて国から支給される訓練等給付費が作業所の運営費、職員の人件費の原資となっているため、通所ができなかった日数分の収入が途絶えたことで、運営費を確保することが難しくなってしまいました。熱海市に届いた約7億円の義援金(2021年9月現在)については、建物への被害がなかった作業所は交付対象外で、国の給付費補助等についても、災害に伴う休業への補償は一切ありません。
7月31日、熱海市が立ち入り禁止区域を縮小したことで、作業所までの道路の通行止めは解除されましたが、1カ月使用できなかった作業所では、冷蔵庫の中に大量の虫がわいて衛生上使用できなくなり、プリンターも停電の影響で故障していました。電話やインターネットの復旧もままならず、依然として作業所に戻ることができない状況が続いています。災害発生前に始めた利用者の憩いの場づくりもストップしてしまいました。
こうした状況を受け、Civic Forceは独自復興支援プログラム「NPOパートナー協働事業」を通じて、10月からめぐみ会の運営をサポートしています。具体的には、作業所を早期に復旧させ、利用者が再び作業できる体制を整えるため、冷蔵庫、プリンター、掃除用具、レンタル携帯電話、ポケットWi-Fiなどを整備するための資金を提供します。また、災害の影響で伊豆山地区の屋外での仕事が減少したため、他の地域での仕事を受注したりイベント出店への参加者を増やしたりするなどしており、新たに送迎・運搬用の軽自動車1台を購入し、収入向上につなげる計画です。
Civic Forceは皆様のご寄付を通じて、被災した地域の復旧・復興の取り組みをサポートしています。被災地の復興はこれからです。引き続きご関心をお寄せください。
めぐみ会ではクラウドファンディングサイトで皆様からのご寄付を受け付けています。応援お願いいたします!
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