東日本大震災
NPOパートナー協働事業
【プレスリリース】2/28 START「ハードからハートへ 災害大国ニッポンに伝承の力を」
東日本大震災から12年。日本各地で災害が相次ぐ中、Civic Forceは本日28日、3.11の教訓を後世に伝えていくためのクラウドファンディングプロジェクト「ハードからハートへ 災害大国ニッポンに“伝承”の力を」を立ち上げました。
今後予想される南海トラフ地震のような巨大災害では一人ひとりに命を守る行動が求められますが、過去の災害から学べる避難行動や事前の備えに関する教訓、住民主体の伝承の価値を可視化し、ハード・ソフト両面を視野に入れた「減災思考」を日本に根付かせるチャレンジです。いざというとき、命を守る真の「防災」につなげていくために、各地における住民主体の伝承活動をサポートします。
プロジェクトページURL:
https://readyfor.jp/projects/memorial20230311
東日本大震災から12年。災害大国ニッポンに必要な「減災思考」
マグニチュード9.0、死者・行方不明者2万2,500人以上。大規模な被害が発生した2011年3月11日の東日本大震災から、もうすぐ12年が経ちます。
この間、私たちは多くの災害を経験してきました。2016年の熊本地震、広島や岡山を襲った洪水・土砂災害、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、熱海土石流被害・・・長年、国内外の被災地に身を置いてきた私たちは、日本の土木復興事業の重要性と質の高さを感じつつも、災害をハードで未然に防ぐことを旨とする「防災」の限界も感じています。震災10年を目途に、各地で東日本大震災の教訓を伝える伝承施設や震災遺構などが整備されていますが、いざというとき、命を守る真の「防災」につなげていくためには、住民目線の「教訓」を伝えていく活動が重要です。
このたび立ち上げたクラウドファンディングは、震災直後から各地で続けられてきた「かたりべ」など住民主体の伝承活動をサポートし、ハード・ソフト両面を視野に入れた「減災思考」を、この日本に根付かせるのが目的です。
今後予想される南海トラフ地震のような巨大災害では一人ひとりに自分の命を守る行動が求められますが、東日本大震災から学んだ避難行動や事前の備えに関する教訓、伝承活動の価値を可視化し、防災を日本の文化として根付かせるための取り組みを進めています。
“語り続ける人”を支える Civic Forceの「記憶の伝承」事業
発災直後から東北の被災地で活動してきたCivic Forceは今、「コミュニティ再生」「福島・保養」「記憶の伝承」の3テーマを軸に、 被災した地域の復興をサポートする「NPOパートナー協働事業」を実施しています。NPOパートナー協働事業とは、災害時に専門性を発揮する団体や被災地で活動する団体などとともに緊急支援では行き届かなかったニーズに広く対応するプログラムです。
このうち「記憶の伝承」は、震災の経験を後世に伝え、災害に備える社会の実現を目指す活動です。
人から人へ直接伝える「かたりべ」の取り組みや、災害に強いまちづくりのために力を尽くす活動など、「記憶の伝承」の活動にも多様な内容があります。全国各地で災害が増える中、津波の準備情報など一定期間の備えが必要なケースや津波以外の水害、土砂災害、原子力災害など、地域や個人の実情にあわせて、“自分事として考える震災の教訓”を学ぶ機会を生み出しています。
人から人へ語り継ぐ伝承/福島・宮城・岩手
- 過去の教訓を未来にいかすべく、Civic Forceは今、以下のようなさまざまな団体の伝承活動をサポートしています。これらの取り組みを継続していくために、クラウドファンディングを開始します。
福島を知ることは 日本を知ること ------富岡町3・11を語る会
福島原発事故により町民全員1万6,000人以上が突如、避難を余儀なくされた富岡町。12年が経った今も町の人口は2093人にとどまっています(2023年1月時点)。避難指示が解除された町を基点に「語り人(かたりべ)」の活動を続けるのが、富岡町3・11を語る会です。「人の世に起きたことは人の言葉で語り伝えなければ」と、国内外の訪問者に富岡町で起きたことを伝えてきました。Civic Forceとの協働事業では、子どもや若者向けの「語り人」教室や交流の場づくり、伝承活動の先進地調査などを通じて、原発事故の経験を後世につないでいく取り組みを行っています。
伝承の効果を実証・可視化する挑戦 ------3.11メモリアルネットワーク
東日本大震災後、宮城県石巻市でNPO・NGO連絡会の事務局機能からスタートした3.11みらいサポートは、被災地の状況の変化に伴い、 徐々に「支援の連携」から「伝承の連携」へと活動をシフトしてきました。2017年からは、東北3県を中心とする震災伝承の連携組織「3.11メモリアルネットワーク」の事務局として、各地の伝承活動をサポートしています。Civic Forceとの協働事業では、震災伝承活動が防災の行動を促す効果を検証し、その可視化に挑戦しています。伝承の取り組みの社会的価値を示し、活動の底上げに寄与することで、災害から命が守られる社会の実現を目指します。
震災を知らない世代へ------閖上の記憶
宮城県名取市の閖上地区では、かつて約 5,000人が住んでいましたが、津波で甚大な被害を受けて更地となり、閖上中学校では14人の生徒が犠牲になりました。震災から約1年後、旧閖上中学校の入り口に、慰霊碑を守る社務所として建てられた施設「閖上の記憶」は、震災の記憶を後世に伝える場 所として人々の拠り所となっています。 Civic Forceの協働事業ではこれまで3月11日の追悼行事の運営をサポートし、2022年3月からは「震災を知らない世代に向けたかたりべ講話・案内ガイドの強化事業」や組織の運営基盤を構築するための支援を続けています。
3月11日にあげる「追悼の花火」 ------白菊実行委員会
津波で甚大な被害を受けた岩手県釜石市鵜住居町の根浜海岸で、若手有志が中心となって、2023年3月11日19時、追悼の花火をあげます。「白菊」と呼ばれる花火は、シベリア抑留で命を落とした戦友を弔うために新潟県長岡市の花火師によって作られたのが始まりで、8月の新潟・長岡空襲の日などに打ち上げられ、2020年からは白菊を製作する(有)嘉瀬煙火工業の協力のもと、鵜住居町でも3月11日に追悼の花火をあげています。花火を見ながら、地域の人々が心を一つに祈り、希望・未来、そして「大切な人を想う時間」となっています。
釜石の高校生が世界に発信 ------walavie
地域住民による防災教育が盛んな岩手県釜石市では、学校教育の中で子どもたちが自発的に調べたり発信したりしながら、地域全体の防災意識の向上につなげています。東日本大震災の際には、これまでの防災の取り組みによって命が助かったという事例も多く聞かれます。2022年3月に立ち上がった一般社団法人walavieは、地域の若者が国内外で主体的に震災の記憶を伝え、防災意識の向上を図る活動を後押ししています。2023年には、同じ津波被災地であるインドネシア・アチェ地域の若者と、防災・減災をテーマに語り合い、多様な社会の中で生きていく力を身につける取り組みを進めます。
・プロジェクトタイトル:「ハードからハートへ 災害大国ニッポンに新しい“伝承”の力を」
・ページURL:hhttps://readyfor.jp/projects/memorial20230311
・目標金額:100万円
・実行者 :公益社団法人Civic Force
・公開期間:2023年2月28日(火)10時〜2023年3月31日(金)23時
・資金使途:Civic Forceの東日本大震災支援「NPOパートナー協働事業」のうち「記憶の伝承」は、震災の経験を後世に伝え、 災害に備える社会の実現を目指す活動です。過去の教訓を未来にいかすべく奮闘する「NPOパートナー」の取り組みをサポートします。
一人でも多くの方にこの想いとプロジェクトの存在を知ってもらい、たくさんの方々とともに災害に強い地域づくりを実現していきたいと思っております。
公益社団法人Civic Forceとは
国内の大規模災害支援を専門とするプロフェッショナルチームです。企業や行政、NGOとの連携を通じて、いち早く被災地に入り、迅速で質の高い支援を実現します。東日本大震災以降、度重なる災害でいち早く出動して緊急支援活動を展開。2019年からは空飛ぶ捜索医療団ARROWSプロジェクトに参画し、佐賀や広島のNPO団体と協力して捜索救助や救急医療、空からの支援体制の強化をはかっています。これまでの緊急支援の実績は、以下の通りです。
- 2012年7月:九州北部豪雨支援
- 2014年8月:広島土砂災害支援
- 2015年9月:関東大雨災害支援
- 2016年4月:熊本地震支援
- 2017年7月:九州北部豪雨支援
- 2018年7月:西日本豪雨支援
- 2018年9月:北海道胆振東部地震支援
- 2019年10月:台風19号支援(継続中)
- 2020年7月:九州豪雨支援(継続中)
- 2021年1月:新型コロナウイルス緊急支援(継続中)
◆本件に関する問い合わせ先:
公益社団法人Civic Force
TEL: 090-7915-7246(新海) Email: pr@civic-force.org
URL: http://civic-force.org/
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