【連載 災害に備える】Vol.2 自宅での避難生活
明日11日は東日本大震災の月命日。NPOパートナー協働事業チームの小野寺幸恵が暮らす宮城県気仙沼市では、11日を「防災を考える日」とし、防災無線などで「家族で防災について考えよう」と呼びかけています。
全国各地で災害が増えるなか、一人でも多くの方に災害に備える大切さや具体的な防災情報をお伝えしたく、7月から毎月11日前後に、連載「災害に備える」をお届けします。被災地出身・在住で被災経験のある小野寺から皆さんへ、少しでも役に立つ情報をお伝えできればと思います。第2回目は、「自宅での避難」をテーマにお伝えします。
折しも今まさに台風6号・7号が日本列島に近づいていますが、みなさん、「停電への備え」はしていますか?
一般的な懐中電灯はもちろん、一時期キャンプがブームになったこともあり、アウトドア用のランタンなどをお持ちの方もいらっしゃると思います。我が家では、家族ひとりひとりがLEDライトを持っています。その他、階段や廊下の数カ所に室内用の小さなセンサーライトを置き、普段から活用しています。
センサーライトを置いたのは、大分県日田市で水害を経験された方から聞いたお話がきっかけでした。その方のお宅には小さなお子さんがふたりいますが、水害を経験した後、お子さんたちは雨や停電をとても怖がるようになったそうです。そこで、廊下の子どもの手の届く高さに、タッチ式のライトを複数設置し、普段からそのライトを使うようにしてみたら、いざ停電の時にそれほど怖がらなくなったということでした。「普段から使い慣れておけば、いざという時、パニックにならずに済む」と聞いて、我が家でもセンサーライトを設置することにしました。
特に小さな子どもは環境の変化に敏感です。また、その時の恐怖が心に焼き付き、時間が経ってから問題行動などが出てくる場合があります。日頃から災害を意識した環境をつくっておくことで、お子さんへの心理的な負担も軽減できますので、ぜひ設置してみてください。
次にご提案するのは、「停電したときの熱中症対策」についてです。
停電してしまうと、エアコンや扇風機が使えず、熱中症が心配ですよね。そんな時、冷凍したパウチ入りの飲料が役に立ちます。体を冷やすのに使った後、溶けたら飲んで水分補給&エネルギーチャージをすればいいので、一石三鳥です。
また、濡れタオルで体を拭くだけでもいいのですが、ハッカ油を少し入れた水で清拭すると、爽快感が得られます。ただし、ハッカ油は原液のまま使わないこと、またペットがいるご家庭や赤ちゃんへのご使用はお控えください。
このほか、お風呂にきれいな水を貯めておけば、体を冷やす際だけでなく、トイレにも使えて便利です。
最後に、なるべく火を使わずに食事を作る方法についてお伝えします。
IHクッキングヒーターは停電時は使えませんし、都市ガスも災害時には止まることがあります。プロパンガスやカセットコンロも、暑い真夏の停電時には長時間使いたくないですよね。
そこでご紹介したいのが「水浸けパスタ」です。これはご存知の方も多いと思います。パスタをチャック付きの袋に入れ、パスタが全て浸かるくらいの水を入れて、2時間以上おきます。食べる時は袋からパスタを取り出し、沸騰したお湯で1分茹でるだけ。あとはお好みのパスタソースとあえれば完成です。時短調理にもなりますので、普段からやっている方も多いかもしれません。水浸けしたものを冷凍しておいても便利です。パスタソースはアレンジレシピがたくさんありますので、難なく消費できますし、使ったら買い足すという「ローリングストック」をすることで、立派な備蓄食になります。
パスタソース以外にも、お吸い物の素やお茶漬けの素で和風のパスタも作れますが、いずれも賞味期限は比較的長いので、自宅での避難生活を意識しながら、普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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