ニュースレターVol.26 発行 ー東日本大震災から11年
「てんでんこ」という言葉があります。
東北の方言で「各自」の意味。海岸で揺れを感じたら、周囲をかまうよりもまずてんでんばらばらに逃げて、自分の命を守れ、という言い伝えです。
岩手県釜石市の小中学校では、この教訓を生かして避難所よりも高い場所に避難し、約3000人の子どもたちが助かりました。「釜石の奇跡」とも呼ばれますが、様々な訓練を積み重ねてきた結果、小中学生たちは自らの命を守ることができました。
他方、てんでんこで逃げたまま、避難先の地で月日が流れてしまったという人もいます。原発事故の被害を受けた福島県では、今も2万7000人以上が県外で暮らしています。帰還困難区域のうち、今年、大熊町、双葉町、葛尾村の3町村内の復興拠点※で避難指示解除が予定され、浪江町と富岡町、飯館村の3町村も翌2023年春の解除を目指しています。戻る人、戻らない人、様々な立場の違いから起きる分断の構図が町の再建を阻んでいますが、「まずはそれぞれの歳月を語り、伝え合うことから」と動き出す人がいます。
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2011年3月の東日本大震災から11年。
Civic Forceが力を入れるテーマの一つに「記憶の伝承」があります。今号のニュースレターでは、東北の被災地内外で広がる伝承の取り組みをはじめ、震災によって失われた生態系や地域コミュニティの活気を取り戻す活動についてご紹介します。
※正式名称は特定復興再生拠点区域。放射線量が高く、立入りが制限されている帰還困難区域のうち、先行的に居住や農業などの再開をめざす区域。
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