住民主体の地域づくりを続けるPOSKO「個庫茶屋メンバー」(前編)
「(被災後)地域で何ができるのか、コロナ禍だからこそ何ができるのか、前よりずっと考えることが多くなりました」。そう語るのは令和2年7月豪雨以降、熊本県人吉市で活動を続ける「個庫茶屋メンバー」代表の園田富巳子さん。全国の被災地の復興支援に携わってきた被災地NGO恊働センターがPOSKO(ポスコ)としてサポートを続ける団体の1つです。POSKOとは災害の多いインドネシアの言葉で、災害時に地域住民らによって自然発生的に立ち上がる支援拠点や住民の詰所のこと。シビックフォースと被災地NGO恊働センターの協働事業でこれまで被災者グループや自治会・自主防災組織、寺など6団体を支援してきました(詳しくは2020年8~12月の 「日本版POSKO支援事業」)。
令和2年7月豪雨の際、家屋の浸水など人吉市は広範囲に渡り甚大な被害に見舞われました。その後も長引くコロナ禍の影響で地域外からのボランティアが不足し、いまだに片づけやリフォームが進んでいない家屋もあります。
地域内外の住民同士の交流も少なく、地域経済も被災・コロナと二重の打撃を受ける中、住民が主体となってまちの賑わいを取り戻し、交流できる活動が必要とされています。園田さんは自身も被災しながら、発災直後から支援物資の配布や泥出しなど被災家屋の片づけを開始。
今は仲間と一緒に地域の賑わいや住民同士の交流を取り戻そうと、ものづくり工房やパン工房、被災家屋をリフォームした交流拠点、高齢者の見守り...と様々な活動を仲間と一緒に行っています。(写真右端:園田さん、左端:被災地NGO協働センタースタッフ村井さん)
仲間の1人が被災した自宅をリフォームしたパン工房は、5月2日にオープンしたばかり。市内では珍しい本格的なドイツ系のハードパンを中心に販売、カフェスペースも併設しています。元々店主さんは農業を営むご実家で農作物の加工場ができれば、と考えていたところ被災。まずは被災した自宅を何とかしなければ、と個庫茶屋メンバーの仲間にも背中を押され、一念発起して、ご実家で育てた小麦やメンバーの関係者の麦畑で収穫した小麦を使ったパン工房を開きました。
今はカンパーニュやミニコッペを中心に金・土・日の週末のみ営業していますが、今後はシビックフォースと被災地NGO協働センターの協働事業で購入をご支援した保冷ショーケースを導入し、サンドイッチや各種ジャムの販売を始めるなどメニューを増やしていく予定です。ゆくゆくは元教師だった園田さんの教え子で障がいを持つ子どもたちが働ける場にもしたいと考えています。
もう1つの拠点「みんなの家」は、地域の仲間やボランティアで試行錯誤しながら被災した家屋をリフォーム。1階は月に一度、地域の人が集まる交流スペースとして、2階は被災した地域住民の居住スペースとして利用しています。プロの大工ボランティアが一緒に取り組んだことで、水回りも修復。地域住民から必要な家具も提供されました。荒れた庭を手入れし、植物を育てているのは、2階に住む男性。被災直後、疲れ果てた様子で物資支援拠点を訪れ、個庫茶屋メンバーと出会いました。交流を続けるうち、少しずつ元気になり、今では地域に溶け込んでいます。
後編では引き続き、個庫茶屋メンバーの活動を紹介します。パン工房の情報はこちら。
〒868-0052 熊本県人吉市新町1
金・土・日曜 10:00-17:00営業
090-5474-3078
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