目的の場所まで無料で送迎
「地震で被災した時のままの自宅を片付けに行きたい」「仮設住宅への入居準備をしたい」「お墓のお手入れをしに行きたい」..... 発災から4カ月以上が経過した今でも断水が続く地域があるなか、金沢や周辺地域など自宅を離れて避難生活を続ける人々がいます。そんな被災者の皆さんから聞こえてくる声の一つに、「移動手段がなくて困っている」というニーズがあります。
そんな声に応えるため、4月から送迎支援を開始した団体があります。Civic ForceがNPOパートナー協働事業で連携する一般社団法人BIG UP石巻です。BIG UP石巻は、4月17日の事業開始からこれまでに45件73人を送迎。出発地は加賀、小松、白山、高岡、金沢などで、目的地は輪島、珠洲など被災された方の都合に合わせて予約を受け付けています。家の片付けに戻ったりボランティアセンターが派遣するボランティア片付けに立ち会ったり、また行政での手続き、自宅への帰還、家族の危篤に伴う緊急の依頼などさまざまで、往路のみ・復路のみといった依頼も多くあります。
送迎支援を利用した人たちは、車が被災したり高齢で免許を返納していたり、移動手段がなくて本当に困っていたという人が多く、BIG UP石巻ではゴールデンウィーク中に増便して運行。たくさんの声に応えるため、現地のドライバーを雇用するなどして体制を整え、今後もしばらく送迎支援を続けていく計画です。
BIG UP石巻は、2011年の東日本大震災をきっかけに立ち上がった団体で、東北での経験をもとに、これまで熊本地震や大阪北部地震、2019年の台風19号など各地の災害で支援活動に取り組んでいます。今回の能登半島地震では、2023年5月の地震で以来つながりのあった珠洲市社会福祉協議会と連携して、1月2日から珠洲市での支援を開始。炊き出しなど災害支援を行う他団体との連携や社会福祉協議会との調整、ささえあいセンターへの助言、在宅避難者や避難所への物資配布など多岐にわたる活動を行ってきました。
2月からは姉妹団体であるBIG UP大阪と連携した移動式シャワーと洗濯ブースの設置支援を展開。いまだ住戸内の水道が復旧しない中、体を洗うシャワーブースや洗濯はニーズの高い支援の一つです。被災地では自衛隊風呂や公衆浴場に行けない方などもいるため、周辺住民だけでなく、そうした配慮が必要な方たちも通われています。現在は健民体育館のシャワーブース、JAのとグリーンセンター洗濯ブースが稼働中です。
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