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東日本大震災 新・夢を応援xNPOパートナー協働事業 3 11を忘れない

地域を超えて伝承活動に取り組む「防災きずな学園」(NPOパートナー協働事業)

オリジナルの防災ゲーム「防災・坊主めくり」を開発

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東日本大震災の経験や教訓を伝える「仙台防災未来フォーラム」が、3月9日、宮城県仙台市の仙台国際センターで開催されました。

仙台防災未来フォーラムは国連防災世界会議の仙台開催から1年後の2016年3月に初めて開催され、10回目となる今年は過去最多の延べ139団体が参加。子どもから若者、高齢者まで、さまざまな防災の担い手たちが集い、シンポジウムやワークショップを通じて各々の取り組みを発表しました。

Civic Forceの「NPOパートナー協働事業(東日本大震災支援)」で連携する防災きずな学園も仙台防災未来フォーラムに参加し、開発中のオリジナル防災ゲーム「防災・坊主めくり」を体験できるブースを出展しました。防災・坊主めくりは、百人一首の読み札をめくってたくさんの札を手に入れる「坊主めくり」のルールを発展させたゲームで、「ひめ」のカードには災害・防災に関するクイズが書かれていて、「ぼうず」のカードには災害時にやってはいけない行動が、また「殿」のカードには防災知識や教訓が書かれています。ゲーム感覚で気軽に防災の知識を学ぶことができるゲームで、読みやすさや親しみやすいデザインにもこだわり、将来的には商品化も視野に入れています。

フォーラム当日は、ブースに立ち寄った来場者らに「坊主めくり、やってみませんか」と呼びかけながら、ルールを説明したり、一緒にゲームをしたり、災害や防災について考える大切さを伝えました。

岩手県の釜石鵜住居復興スタジアムで伝承活動

防災きずな学園は、東日本大震災の被災地である岩手県釜石市の高校生チーム「夢団」や神奈川県鎌倉市「防災普及学生団体Genkai」、逗子市の「3.11つなぐっぺし」、慶應義塾大学の学生有志「つなぐ、つながるプロジェクト」で構成され、2023年9月に横浜で開催された「ぼうさいこくたい2023」に共同でブース出展したことをきっかけに結成されました。現在、それぞれの地域で取り組んでいる活動をオンラインで定期的に共有し合うとともに、災害の教訓を活かすための防災ゲームの共同開発を続けています。

「伝承」に力を入れるCivic ForceのNPOパートナー協働事業では、今年3月から地域の垣根を越えてお互いの防災の取り組みや伝承活動の知見を活かし合う防災きずな学園の取り組みを応援しています。

防災きずな学園では、9日の仙台防災未来フォーラムへの参加のほか、同フォーラムに先立って8日に合同研修会を実施。研修会にはメンバー24人が参加して気仙沼市東日本大震災遺構伝承館や石巻市震災遺構 門脇小学校(MEET門脇)を訪問し、かたりべガイドの話を聞きました。

また10日、岩手県の釜石鵜住居復興スタジアムで、東日本大震災の被害や防災の大切さについて伝える伝承活動を実施。地元ラグビーチームのホーム戦に合わせ、会場内で「夢団オリジナルデザイン安否札※」を配布しながら備える大切さを訴えました。災害避難時に玄関に掲示し、すでに避難したことを知らせる札。B5判サイズで、表面には避難場所、裏面には連絡先や伝言を書き込める欄が設けられている。

伝承活動を担ったメンバーの中には、今回初めて「かたりべ」として人前に立った高校生(夢団)もいます。「13年前の震災では直接、津波などを見たわけではなくて当時の記憶はなく、語ることに戸惑いや躊躇いを感じていた」と言いますが、看護師であるお母さんの体験を聞いて語りつないでいく必要性を感じるようになりました。当日はご両親も駆けつけ、無事にかたりべデビューを果たしました。

震災から13年が経ち、震災を経験していない若い世代が増える中、被災した人に代わって語り継ぐ活動が伝承活動のカギになると言われています。防災きずな学園のメンバーでもある釜石・夢団の高校生たちは、5年前から活動を行っていますが、卒業していく生徒がいる中、当時の記憶がない生徒や震災を経験していない生徒も語りつないでいく取り組みを行っています。

また、鎌倉から足を運んだGenkaiの高校生は「私たちが防災に取り組む理由は守りたいものがあるから。鎌倉が大好きだけど、災害が起きたら守れないものがあると思う。だからどうすれば守れるのかを考えている」と語ります。

その後、メンバーは津波伝承施設「いのちをつなぐ未来館」に移動。同館には、それぞれが事前に作成した「防災小説」が展示されています。防災小説とは、自らが被災する物語を綴ることで災害を自分ごととして考えるための防災教材です。

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