【連載 災害に備える】Vol.5 「マイ防災ボトル」、中身は厳選10アイテム!
今日11日は東日本大震災の月命日。NPOパートナー協働事業チームの小野寺幸恵が暮らす宮城県気仙沼市では、11日を「防災を考える日」とし、防災無線などで「家族で防災について考えよう」と呼びかけています。
全国各地で災害が増えるなか、一人でも多くの方に災害に備える大切さや具体的な防災情報をお伝えしたく、7月から毎月11日前後に、連載「災害に備える」をお届けします。第5回目は、いつでも持ち運べる「マイ防災ボトル」をテーマにお伝えします。
日本有数の港町・気仙沼在住の小野寺です。ここ数年はサンマもカツオも不漁続きで、食卓に上がる回数はめっきり減ってしまいました。サンマはお刺身で食べるのが一番好きですが、刺身にできるサイズが上がっていないようで、今年は食べられないままサンマのシーズンを終えてしまいそうです。
さて、連載5回目の今回は「マイ防災ボトル」について。マイ防災ボトルについては初回に少しだけ触れましたが、家に眠っている使わないプラスチックのボトルを使って作る自分専用の防災ボトルで、今日からすぐに始められる備えのひとつです。災害はいつ起きるかわかりません。外出中に災害にあった場合、いつ家に帰れるかわかりません。そのような場合に備えて最低限必要なものを持ち歩く、これは自分の身を守るために大切なことです。ここからは、実際に私のボトルの中身をご紹介しながら解説したいと思います。
このボトルはプラスチック製で、内容量は約500ml。使わずに家に眠っていたもので、軽く中身の水濡れを防げるだけでなく、コップがわりにも使えます。ちなみに、ボトルの中には以下のものが入っています。
①マスク:災害発生時は粉塵が舞ったり強い臭いが発生することがあります。東日本大震災では重油の臭いや魚などの腐敗臭が充満し、マスクなしでは頭痛がするほどでした。また、災害発生後には感染症の流行も懸念されますので、予防のためにもおすすめです。
②ばんそうこう:逃げる途中でケガをすることもありますので、自分で手当てができるように準備しておきましょう。一度貼ったら貼りかえの必要がない「キズパワーパッド」がおすすめです。
③ボールペン・メモ用紙:念のため、水濡れ対策としてビニール袋に入れています。ペンは油性のものを選ぶと、滲みにくくて安心です。
④ビニール袋&ビニール手袋:エチケット袋としても使えるよう、中身の見えない柄付きの袋(100円ショップで手に入ります)と通販などの梱包に使われている緩衝材を切って空気を抜き、再利用しています。お出かけの際のごみ入れにもおすすめです。傷の応急処置をする際、衛生上、素手はなるべく避けたほうがビニール手袋も入れています。
⑤非常食(飴、キャラメル、ようかんなど):賞味期限の長いものを選ぶのがポイント。こちらは秋冬仕様ですが、夏は塩分が摂れるタブレットを入れています。私はミント味のものだと気分が落ち着くので、ミントキャンディを入れています。「これを口に入れたらリラックスできる」というものを意識して選ぶのが良いと思います。
⑥現金:停電時にはキャッシュレス決済も使えない可能性があり、あると便利です。
⑦緊急時連絡先:スマホが使えなくなった時や自分の身に何かあった時にための「緊急時連絡先」リストを作って持ち歩いています。第三者がこのリストを見て連絡してくれることを想定し、連絡先の優先度がわかるようにしておくと良いです。100円均一のラミネートフィルムを使い、濡れても大丈夫な状態にしておけば完璧、透明なOPPテープでもOKです。隙間から水が入らないよう、端を少し重ねて貼ります。
⑧圧縮タオル:100均で手に入ります。水で濡らすと大きく膨らみます。他にも圧縮タイプの靴下もありますので、靴が濡れた時のために持っておくのもいいでしょう。
⑨薬:日常的に服薬している方は普段持ち歩いていると思いますが、災害時にはすぐに薬が手に入らないこともあります。予備を入れておくとよいでしょう。さらに胃腸薬や鎮痛剤、解熱剤などを入れておくと安心です。
⑩乾電池(ライト用 ):普段カバンに付けているLEDミニライトの換えの電池です。放電しないよう、未開封の状態で入れています。
このほかにホイッスルやLEDライト、アルミシートなど防災士の立場から言えばもっと持ち歩くべきものがありますが、ボトルにも容量があるので上記の10点を“精鋭部隊”としてボトルに詰めました。その代わり、ホイッスルとライトはバッグの中に忍ばせています。
これはあくまでも一例です。持ち歩き用として作るのか、車載用に作るのかなどシチュエーションによって中身は違ってきます。そこで、次回は本コラムをもとにCivic Forceのスタッフが実際にマイ防災ボトル作りにチャレンジします!どんなマイ防災ボトルができるのか、次回をお楽しみに。
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