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東日本大震災 3 11を忘れない NPOパートナー協働事業

【川柳コンテスト受賞インタビューVol.1】東北に 灯るひかりが 照らす能登

東日本大震災から13年となる今年3月、Civic Forceは災害や防災・減災をテーマにした「3.11川柳コンテスト」を開催しました。私たちにとって初のコンテスト、一体何人の方が応募してくれるのか、当初は不安もありましたが、最終的に1,361人の方が3,155もの作品を寄せてくださいました。連載「受賞者インタビュー」をお届けします。まずはCivic Force特別賞に選ばれた川柳「東北に 灯るひかりが 照らす能登」の作者、ペンネーム桃李(とうり)さんに聞きました。

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───受賞おめでとうございます。まずは「3.11川柳コンテスト」に応募したきっかけと感想を聞かせてください。

コンテストサイト「公募ガイド」で見つけて応募しました。私は今、50代ですが、10年ほど前、「なにか趣味をもったら?」と妻に言われて川柳や短歌をつくりはじめ、これまでに出した作品は1,000以上になります。エッセイや絵本、小説、標語なども出品してきました。能登半島地震の被災地へ何かしたいという思いが募っていたところに、今回のコンテストを見つけて応募しました。

受賞の話を聞いて、とても嬉しかったです。災害や防災・減災がテーマで、趣旨にあった川柳になっているか、少し斜めからの視点ではないかと心配でしたが、能登地震の被災地を元気づけられるような作品を、と思ってつくりました。



───「東北に 灯るひかりが 照らす能登」という川柳。どんな思いでこの作品をつくられたのでしょうか?

2011年3月11日に起きた東日本大震災はとても衝撃的な出来事で、自分が生きているうちにこんなことがあるのかと驚きました。2万人以上の方が亡くなり、三陸沖では今も行方不明の方が大勢います。そして、今年元日に起きた能登半島地震でも多くの方が犠牲になりました。東日本大震災ほどの規模ではないかもしれませんが、家族や親戚が集まって1年のはじまりをゆったりお祝いしているときに、こんな不条理なことがあっていいのかと憤りを感じました。

振り返ってみれば、日本では10数年おきに大規模な地震が起きていますが、あれだけの被害を受けながらも東北の多くの地域が少しずつ復興を遂げています。真っ暗だった場所に灯りがともりはじめる、その光は今まさに大変な状況の中にある能登の被災地の皆さんを照らすのではないかと感じています。

大きな災害を前に私たちはとても無力ですが、能登にも早く明るい光が戻ることを願っています。



───13年前の東日本大震災は、桃季さんにとってどんな災害でしたか?

私は静岡県に住んでいます。高齢者介護施設で働いていて、あのときは勤務中でした。震度4。めまいがするような揺れで、急に具合がわるくなったと勘違いして、一瞬「もう死ぬのかな」と思いましたが、周囲の人も「揺れている」と言っていて、テレビをつけると東北の沿岸部が津波に襲われ大変なことになっている。初めてみる壮絶な光景でした。

福島県南部の沿岸で、海水浴客のために民宿を経営していた親戚がいました。なんとか逃げたと聞いてほっとしましたが、その後病気で亡くなった知人もいます。子どものころに行った馴染みの風景もすっかり変わってしまいました。

ニュースや報道で、連日増えていく死者の情報を聞き、中には乳飲み子を抱えたまま亡くなった母親のことなど、理不尽なことばかり。神も仏もないと思いました。一時、自分が体験したような状況に陥って具合がわるくなり、病院に通っていた時期もあります。

───お住まいの静岡県は南海トラフ地震の被害想定地域の一つです。「備え」について、なにかお考えがあれば教えてください。

静岡は南海トラフ地震が起きると言われて久しく、防災の意識が高い地域の一つだと思います。でも、これだけたくさんの地域で大きな災害が起きているのを目の当たりにすると、こわいのは「南海トラフだけじゃない」「他の地域も他人事ではない」という感覚も生まれてきます。

自助・共助・公助という言葉があります。まずは自分の身を自分で守る「自助」の大切さが強調されがちですが、今回の能登の地震被害の状況を鑑みると、「どんなに備えていても逃げられない場面がある」と思います。自助も大切ですが、東日本大震災の教訓を生かし、しっかりと公助の備えをしていく必要があると感じます。裏金をつくる時間があるのなら、もっと“備え”に公金を使うべきです。

また、高校生の2人の娘と時々災害のことを話しますが、防災教育の一環として被災地を訪れる修学旅行などがあっても良いかもしれません。東北も能登も、今住んでいるところからは遠くてなかなか子どもたちを連れて行けませんが、「被災地から学ぶ防災教育」というのがもっと当たり前になっても良いと思います。

災害は決して他人事ではありません。全ての被災地の一日も早い復興を願っています。

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3.11の教訓を未来につなげていくために

2011年3月に緊急支援活動を開始して以降、東北での被災地支援活動を続けてきたCivic Force(シビックフォース)は現在、独自の復興支援プログラム「NPOパートナー協働事業」を通じて、地域の復興の動きを後押ししています。支援にあたっては「まちづくり」「福島と原発」「記憶の伝承」という3つのテーマを軸に、被災した地域で活動する地元NPO団体の取り組みをサポートしていますが、中でも「記憶の伝承」の一環として、3.11の記憶を振り返り教訓を後世に伝えていく活動に力を入れています。詳しくはこちら

本コンテストは「東日本大震災 (新・夢を応援プロジェクト)支援事業」の一環として実施するものです。

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