災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

HOME ニュース 被災地を支援する 【東日本大震災から10年】過去・今・未来を見つめるメッセージ Vol.2 石巻復興支援ネットワーク 兼子佳恵さん

ニュース

被災地を支援する

2021/03/02

【東日本大震災から10年】過去・今・未来を見つめるメッセージ Vol.2 石巻復興支援ネットワーク 兼子佳恵さん

Civic Forceの東日本大震災被災地支援活動の中で出会った人々に聞くシリーズ「過去・今・未来を見つめるメッセージ」。第2回目は、宮城県石巻市で、子どもの居場所づくりや女性の自立をサポートを続ける(特活)石巻復興支援ネットワークの兼子佳恵さんです。

p10Yappesu_Ms.Kaneko.jpg

生かされた自分に 何ができるか

「あの時、助けてくれたから今があります」。

宮城県石巻市で、子どもの居場所づくりや女性の自立支援に取り組んできた兼子さん。最近、子育て中の母親からもらった手紙にそう綴られていた。

慣れ親しんだ石巻の風景は、東日本大震災で一変した。知人や友人が亡くなり「生かされた自分に何ができるか」と、いてもたってもいられず、PTAの仲間とともに仮設住宅でのサロン開催や公園づくりなどの活動に奔走した。また、訪問先で見えてきた母親たちの悩みに向き合い、手仕事を提供するなど雇用を生み出す事業を開始。数百人の女性事業家を石巻から輩出し、一人一人が生き生きと暮らせるまちづくりにチャレンジしてきた。

「目の前の人に喜んでほしい。ただそれだけで走ってきた」という兼子さんだが、2018年に「女性起業家支援コンテスト」(経済産業省)で個別支援部門優秀賞を受賞。今や石巻を代表する起業家として知られる。

67089622_2705115012836194_4115889570896150528_n.jpg

「もっと自分をゆるしてあげて」

華々しい実績とは裏腹に、兼子さんには「逃げ出したいと思う瞬間」が何度も訪れた。

発災から数年、全国からたくさんの人が支援に来たが、コンサルタントと称す支援者のカタカナ言葉がわからない。満を持して取り組もうとしたことを外から来た人がさらりとこなして去っていく。「歳のせいか、高卒のコンプレックスのせいか、人の話を素直に聞けない時期がありました」。

他方、本当の意味で寄り添い、支えになってくれた人もいた。通称やっぺすは、地域の方言で「一緒にやろう」の意。石巻で暮らす人を中心に誰もが主体的に関われるまちを目指す。

2019年末に乳がんの手術を受けた。首から下が思うように動かない時もあり、家族や周囲に助けられることが増えたが、かえって"ゆるす」"感覚に気づいた。「今はもう逃げ出したいとは思いません。あの時生かされたから今できることがある。震災で失った人や子どもを思い、自分を責めてしまう人がいますが、もっと自分自身をゆるし労ってほしい」。

兼子さんが次に目指すのは、宿泊可能な駆け込みシェルターをつくること。子どもの虐待やネグレクトなど見えにくい子育ての課題を解決していくため、一時的に通う居場所づくりだけでなく、もっと心に寄り添ったサポートの必要性を感じている。

p10石巻復興支援ネットワーク_こども食堂.jpg

Civic Forceは、東日本大震災支援「NPOパートナー協働事業」の一環で、2019年から石巻復興支援ネットワークの取り組みをサポートしています。本事業では、他にも福島県や岩手県などでで、地域の真の復興を見据えて活動する地域のNPOを支援しています。

詳細はこちらから。