最新情報

被災地を支援する NPOパートナー協働事業

【台風19号】栃木で「水害体験を語る会」

「気づいたら畳が浮いていて、あっという間に水が来た」

「ガス給湯器や空調も使えなくなってしまった」

台風19号から約4カ月後の2月初旬、栃木県栃木市で開催された「水害体験を語る会」ーー。会場となった富士見町公民館に集まった50人弱の地域住民は、それぞれが経験した災害前後の出来事や、その後の片付け等の苦労、行政への要望などについて語り合いました。

62b5b1c1abe0af375028ac87cd8a0ae9-1634482686.jpg

日本全国38都県(国土交通省資料)で浸水や断水等の被害をもたらした台風19号は、あまりに広範囲で、支援の手が行き届かない地域が多くありました。特に、栃木県は、県内河川の堤防決壊や氾濫が少なくとも計68カ所に上り、15000棟以上が浸水の被害にあったにもかかわらず、域内外からの支援ボランティアは少なく、多くの家屋や農地が片付けられないまま「あきらめざるを得なかった」と言います。なかでも栃木市は、被害件数が県内で最も多かったにもかかわらず、注目されず、支援がほとんど入らない状況が続きました。

eb3c57fd74bb50124b3bba4d968163cf-1634482792.png

そこで、いち早く栃木県に入ったのが、神戸の被災地NGO恊働センターです。阪神淡路大震災以降、日本全国の災害被災地において、災害ボランティアセンターのサポートなど地域に寄り添った支援を続けています。「一人ひとりに向き合うこと」をモットーに活動する同センターは、現在、栃木市内の被災者宅をまわり個別訪問や勉強会などを開催しています。活動にあたっては、市民活動を普及・啓発するとちぎ市民活動推進センターくららや、阪神淡路大震災の頃から連携しているとちぎボランティアネットワーク(とちぎVネット)、CODE海外災害援助市民センターなどと連携しながら、時間の経過とともに個別化する被災者のニーズに丁寧に対応しています。

この日、実施された水害体験を語る会は、富士見町で月に1回実施されてきた「やってみよ場」の一環。いつもは20人程度の参加者数が今回は50人近くにのぼり、地域住民の関心の高さが伺えました。発災前後にそれぞれがどこにいて何を思い、どんな行動をとったのか語り合ったほか、発災当初は少なかったボランティアが少しずつ増え、「家や庭がきれいになり助かった」と話す人もいました。

11月から栃木市に入った被災地NGO恊働センターの立部知保里さんは、この会ではゲストコメンテーターとして参加。被災した地域住民の声を聞きながら、「困ったときはお互い様。頼れるときは頼ってほしい」というメッセージを伝えました。また、すでに自治体に陳述書を提出したという参加者のコメントに注目し、「地域の人が声をあげていく重要性や、地域や家族で経験を語り合い、次の災害に備える意義を強調。各地で続けてきた災害支援の経験を踏まえ、まずは一人ひとりの声を引き出す役割に徹しています。

56829203825693632a215411b8255fd2-1634482870.jpg

Civic Force(シビックフォース)は、台風19号NPOパートナー協働事業の一環で、被災地NGO協働センターの栃木県での取り組みをサポートしています。同センターのこれまでの支援活動に関する詳細はこちらから

一覧に戻る

 

最新記事

  • 最新情報

    【愛媛・高知 地震】情報収集中

  • 緊急即応体制を創る

    【メディア】朝日新聞に掲載「災害への備え 存在感増すCSO」

  • 令和6年能登半島地震

    代表理事が自民党「全国女性局合同勉強会」に登壇

  • 令和6年能登半島地震

    ニュースレターVol.32発行 ー東日本大震災から13年