【#わたしの 3.11 受賞インタビューVol.7】「美化もせずあるがままを次世代へ」
東日本大震災発生から15年となる今年3月、Civic Forceは公募企画「#わたしの3.11 〜15文字のメッセージ」を実施しました。世代や地域を超えて、たくさんの方からメッセージをお寄せいただき、一般部門とユース部門合わせて1,069作品が集まりました。一般部門「佳作」を受賞したNoneさんにお話を聞きました。

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───受賞おめでとうございます。まずは「#わたしの3.11」に応募したきっかけや理由を教えてください。
コンテスト情報のポータルサイト「登竜門」などネット上に出てきた情報を見て、応募しました。宮城県出身で、現在は関東の大学院で解析学の研究をしていますが、研究や仕事以外のことに熱中する時間は、私にとって貴重です。
東日本大震災の発生から15年が経ちますが、大変だったあのときの記憶はだんだん薄れてきていると感じます。でも伝えていかないといけないことがある。そう思っているときに、今回の企画を見つけて、応募しました。
───2011年3月11日に東日本大震災が発生したときのことを覚えていますか。
当時、小学4年生でした。宮城県仙台市に住んでいて、東日本大震災が起きたのは5時間目か6時間目の授業を受けているときです。前日にも地震があって「大して大きくはないだろう」と思っていたら、グラグラ揺れてなかなかおさまらず…。机の下にもぐりこんで、しばらく経った後、外へ出ました。
それから数日、電気も水もない生活が始まりました。印象深かったのは、家やインフラなど生活の基盤が一瞬にして壊れてしまった風景です。電気はすぐに復旧しましたが、水道水は使えないままで、給水車を1日中待つ日もありました。洗濯もままなりませんでした。自粛ムードで、テレビをつけても被災した地域のことばかりが流れてきて、気が滅入ってしまい、「娯楽に逃げたい」と思っていたことを覚えています。
震災発生から1週間後、私は家族と新潟県の境目にある福島県の祖父母の家に避難しました。宮城県に戻ったのは、学校が再開した4月の終わり頃で、それまでは長い夏休みを過ごしていたような感覚でした。
───今回、お寄せいただいた15文字のメッセージ「美化もせずあるがままを次世代へ」にはどんな思いが込められていますか?
震災でたくさんの人が亡くなりましたが、失われた命を無駄にしないためにも、正しい情報を正確に伝え、備えていく必要があると思っています。災害時の大変な暮らしや大切なものを失った悲しみを正確に言葉にするのは難しく、記憶が曖昧になったり脳内で情報が変化したり、というのは仕方のない、むしろ心を保つために当然のことかもしれません。ただ、やはりできる限り正確な情報に基づいた災害対策が必要です。そのために、当時の記憶の”素朴なところ”を各人が呼び起こして、本当に苦痛だったことや辛かったこと、困ったことを伝え、それらの対策について市民として考え、共有していかなければならないと思います。
東日本大震災は未曾有の大災害と言われますが、実はもっと前に東北沿岸部は大きな津波に襲われた歴史があります。石碑などは残っていますが、もっと正確な情報がたくさん語り継がれていたら、もう少し亡くなる命は少なかったかもしれない。原発事故も起きなかったかもしれない。そんなふうに思うこともあり、だからこそ今、伝えるべきことがあると感じます。
「美化もせず」という言葉が最適な言葉なのかどうか迷いながらで、実はこのメッセージが賞を受賞して少し恥ずかしいような気もしています。「あるがままを伝える」ことは簡単ではなく、情報がキレイに脚色されてしまうのも、情報が失われてしまうのも、両方が恐るべきものであり、同時に人間の防御反応としては当然のこととも思います。
それでも自分の経験や教訓をしっかり伝えていきたい。そんな思いを、15文字のメッセージに込めました。
───最後に、日頃から災害に備えて意識していることがあれば教えてください。
東日本大震災の経験を通じて「災害はいつでも起きる」と思うようになりました。普段から「ここなら逃げられそう」とか「あの道を通れば大丈夫」など無意識のうちに安全な道を考えている自分がいます。
いつかくる日は“悲劇”かもしれませんが、いつも最悪を想定していれば、いざというとき、心が壊れずにすむかもしれません。事前にできることをやって備えると同時に、どんな状況でもたくましく、しぶとく生きていけるよう、普段から防災にプラスして工夫できることを意識して、心を平穏に保てるよう心がけることも大事だと思います。、例えば期限が切れそうな防災食をそのまま消費するのではなく少しアレンジしてみるなど、楽しみながら続けられる工夫ができると良いと思います。
───貴重なエピソードをお話しいただき、ありがとうございました。

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