未来の漁師を育てる"うみのがっこう"(後編)
岩手県釜石市で漁業者の担い手育成に取り組むNPOおはこざき市民会議。主に小中学生へ漁業体験を提供しています。事務局を担っていた佐藤さんが今年、新たに代表に就任しました。前編はこちら。
実は、佐藤さんは愛知県出身。震災後、ボランティアとして岩手に通い、その後まちづくりを推進する復興応援隊として、NPOの仕事に就きました。
釜石に来るまで漁業に馴染みはなかったそうですが、海が好きだったこともあり、地域に入り込むうちに自然と漁師の道を選びました。今はNPOの仕事の中で知り合った漁師・前川さんのもとで経験を積んでいます。「漁師の仕事が好きだし、漁師の宿として民宿も経営する前川さんから学ぶことは数え切れません。体力づくりは大変ですけど、新しいことを経験したり覚えるのは楽しいです」。
<親方の前川さん・左と佐藤さん・右>
今年、震災から10年を経て、事務局を担っていた佐藤さんが代表に就任するなど、団体は若手に引き継がれました。将来の担い手育成に繋げるためには、継続的な活動と長期的な視点が必要だからです。子どもたちへの漁業体験がすぐ目に見える結果を生むわけではありません。将来を見据え、より商品開発や担い手育成に力を入れていくため、団体の新たな体制を作り上げている最中です。
漁業集落である箱崎半島地区は、漁業を通じた交流人口の増加も目指しています。佐藤さんが毎朝、船に乗る箱崎漁港は根浜海岸のすぐそば。「近くに海水浴場やキャンプ場などがあるので、人が訪れやすい地域です。最初は遊びに来たり、海に興味を持つところからでも漁業に興味を持ってもらえればと思います」。
漁業を通して地域の賑わいを取り戻したい、動画での情報発信や若手漁師との連携など、新たな取り組みが始まっています。
<佐藤さんが毎朝、船に乗る箱崎漁港>
おはこざき市民会議(http://ohakozaki.com/)
民宿前川(https://maekawa.photolib.jp/)
漁業の学舎事業概要書.pdf
Civic Force(シビックフォース)は、東日本大震災支援「NPOパートナー協働事業」の一環で、2021年6月からNPOおはこざき市民会議の取り組みをサポートしています。
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