「自分の命は自分で守ろう」ー岩手・釜石の高校生が世界に発信
宮城県仙台市の仙台国際センターで3月10〜12日、世界防災フォーラムが開催され、幼少期に東日本大震災を経験した岩手の釜石高校と大槌高校の生徒12人が参加しました。
「保育園で昼寝中、電車に乗っている夢を見ていると思ったら地震だった」「スクールバスの中で寒さを耐えた」・・・。発災当時、まだ幼児だった生徒たちは、大槌・釜石・遠野・埼玉などそれぞれの地で震災を経験しました。震災から12年が経過した今は、被災したエリアで暮らしながら、防災に関する研究活動を行い、防災フォーラムの参加にあたっては、3チームに分かれて自ら企画を準備しました。
11日には、「高校生からの”BOSAI”メッセージ」と題したカンファレンスを実施。12人中8人が、復興に向けて進むふるさとでの暮らしを通じて、災害の教訓や記憶の風化に向き合ってきた経験を語り、それぞれの「BOSAI(防災)」の取り組みについて発表しました。会場では震災当時の状況や防災教育について振り返るだけでなく、参加者との意見交換や質疑応答も交え、高校生たちの“生の声”を届けました。
「高校生による防災授業」では、2人の生徒が沿岸部と内陸部で異なる防災意識の差を埋める方法をテーマにしたセッションを開き、災害対応を疑似体験するゲーム「クロスロード」を活用して、一人一人が”防災”を自分ごととして捉える機会を提供しました。さらに他の2人は、災害が起きた日などを記した防災カレンダーを日本語と英語で作成し、常日頃から「いざという時」を考えておく大切さを伝えました。
また、大槌高校「復興研究会」の活動展示として、2011年から続けてきた大槌町の「定点観測」の写真パネルと、生徒自身の震災時の経験を紙芝居にした「伝えたいこと〜あの日、私は小学2年生だった」を展示。多くの来場者が足を止め、じっくり鑑賞していました。
「自分の命は自分でしか守れない。人任せにしないで」とのメッセージを発信した生徒たち。次代へ語り継ぐ決意を新たに、これからも「BOSAI(防災)」の取り組みを世界へ発信していきます。
なお、こうした高校生たちの活動は、Civic Forceのパートナー団体である岩手の一般社団法人walavie(ワラヴィ)が支えています。Civic ForceのNPOパートナー協働事業では、walavieを通じて、高校生たちの交通費など今回の世界防災フォーラム参加にかかる費用の一部をサポートしています。
walavieとのパートナー協働事業では、今年、同じ津波被災地であるインドネシア・アチェの中高生と釜石・大槌両校の生徒が、防災・減災をテーマに、知見の共有や相互理解を深める多様性に溢れた交流の機会を設ける予定です。
大規模な災害が世界各地で増える中、次の大規模災害で一人でも多くの命を救うためには、このように若い世代が災害の記憶を語り継いでいく取り組みがカギとなります。Civic Forceは命をつなぐwalavieの取り組みを応援しています。
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