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【開催レポート(前編)】災害シンポ「関東大震災から100年 これからの避難生活のあり方を考える」

数字より大切なこと。災害支援の基礎「スフィア基準」

公益社団法人Civic Force(以下シビックフォース)は、3月28日、災害シンポジウム「関東大震災から100年 これからの避難生活のあり方を考える ー被災者支援の国際基準と行政・企業・NPOの協働ー」を開催しました。会場となった佐賀市のグランデはがくれには、行政・企業・NPOなどの防災・福祉担当者や災害支援に関心のある人など約60人が足を運び、オンラインでも約70人が参加しました。

冒頭のあいさつで、シビックフォースの根木佳織代表理事は、「これまでの災害支援の経験を踏まえ、多くの皆さんと協力しながら“備え”の活動に力を入れているが、それでもまだ足りない。備える取り組みに終わりはないが、今日は災害支援の中でも遅れがちな日本の避難所について会場の皆さんと一緒に考えたい」と開催の趣旨を語りました。

第1部では、「緊急救援に必要な国際基準の概要」をテーマに、特定非営利活動法人日本ファーストエイドソサェティ代表理事の岡野谷純さん(医学博士/救急救命士)が講演。救急蘇生法や災害時の活動者支援、心のケアなど多様な研修プログラムを開発し、国内外で普及活動を行ってきた立場から、国際基準「スフィア」の概要や活用方法などについて解説しました。

スフィアは、1994年に起きたルワンダ大虐殺の反省から、難民や被災者に対する人道援助の最低基準を定める目的で開始されたプロジェクトで、「人道憲章」「権利保護の原則」「コア基準」の3つの共通の土台と、生命保護のために必要不可欠な「給水、衛生、衛生促進」「食料安全保障と栄養」「避難所や避難先の居住地」「保健医療」の最低基準を定めています。

岡野谷さんは、まず「災害や紛争の影響を受けた人々には、支援を受ける権利がある」というスフィアの基本理念について紹介するとともに、2018年の改訂版「スフィア・ハンドブック」では、支援者の規範だけでなく、裨益者の権利として「ニーズにあった支援を受けられる」と追記されたことに着目。スフィアは、支援者だけでなく支援を受ける人も理解しておくと良い、と語りました。また、誤解されがちな視点として、スフィア基準は「数値的な基準ではなく、理念に基づく達成基準」と強調。理念にもとづいた生活と被災者支援の活動が、目指すべき状態に達するための基準であり、数字にとらわれないでほしいと呼びかけました。

第2部のパネル発表では、NPO、自治体、企業の立場から3人が登壇しました。続きはこちら

なお、会場では希望者を対象に冊子『被災者支援のヒント集 -国際基準と熊本地震被災者支援から学ぶ-』を無料で配布しました。この冊子は、WEBサイトからもダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。  熊本地震被災者支援の知見を集めた「被災者支援のヒント集 -国際基準と熊本地震被災者支援から学ぶ-」が完成しました。|活動中のプログラム|国際協力NGOジャパン・プラットフォーム(JPF) (japanplatform.org)

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