2014/05/21
Civic Forceは5月13日(火)、国連大学エリザベス・ローズ会議場で一般社団法人アジアパシフィック アライアンスと共催し、国際シンポジウム「災害時の真のリーダーシップとは―東日本大震災・アジアの経験から―」を開催しました。シンポジウムでは東日本大震災を経験した行政、民間企業、NPOの立場から、それぞれが果たした役割やセクターの垣根を越えた協働の成果を振り返るとともに、頻発する災害において、どうようなリーダーシップが必要とされるか各組織のリーダーと議論を展開しました。
大西氏 塩崎氏 石兼氏 ファイザル氏
大西健丞 アジアパシフィック アライアンス(APADM)CEO/ シビックフォース代表理事
「たくさんの方にお集まりいただき感謝いたします。アライアンスだけではなく、市民社会、企業の皆さまとともに今後も継続して協力することで、それぞれが持つ情報、知識、リソースを集約し、効果的な支援を展開することができると信じています」
塩崎恭久 衆議院議員
「災害に立ち向かう皆さまがここにお集まりいただきうれしく思います。行政、民間企業、NGO・NPOで連携し、迅速な支援が達成でき、アジアの良き友人となるべく、このシンポジウムが意義深い会となることを祈念します」
石兼公博 外務省国際協力局長
「アセアン諸国はこれまでも災害により深刻な被害を受けてきました。日本のように多大な支援を表明している〝友人″の協力を得て、災害対応を主導するAHAセンターを2年半前に設立し、各国間での情報共有を可能にしました。今回、AHAセンターより13人の研修生が災害管理の能力を向上させる目的で参加しています。災害時におけるリーダーシップについて理解を深めることを期待しています」
(写真右から)塩崎氏、太田氏、根木氏、岡本氏、桑名氏
①「各セクターの協働を振り返る」
岡本全勝 復興庁統括官
②根木佳織 シビックフォース事務局長
根木事務局長は東日本大震災発災翌日から緊急支援を開始し、企業の協力を得て、380㌧の支援物資を提供したことを紹介しました。「これまでに600社以上の企業と5万人の支援者からのサポートを受け、多岐にわたる活動を展開しました」とこれまでの成果を報告しました。
③「東日本大震災でのビジネスセクターの貢献」
太田至計 株式会社ハート・インターナショナル代表取締役社長
1990年に設立され全国に31の支店を持つハート・インターナショナル。太田代表取締役社長は、東日本大震災でシビックフォースの依頼を受け、トラック、人員、倉庫を確保し、被災地への支援物資搬送に尽力したことを報告しました。太田社長は「私たちのように大きな会社でなくても、助けるために何かを実践することは可能だということを他の会社にも気付いてほしい」と強調していました。
④「福島原子力発電所事故からの学び」
塩崎彰久 福島原発事故独立検証委員会ワーキンググループメンバー
塩崎氏からは福島第一原子力発電所の事故後の対応、連絡体制の在り方などについて報告されました。原発事故の情報が遠く離れた内閣総理大臣官邸に届くまでにはいくつもの階層を経て情報が送られるため、情報の共有が大幅に遅れていたことを説明しました。また積極的に情報を提供することで信頼を得ることができると強調し、「私たちの経験はアジアの友人たちに共有し、次の災害に備えることが必要です」と話していました。
後編ではセッション2の様子を紹介します。