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被災地を支援する

2016/01/25

【東日本大震災から5年】インタビュー「あの人に聞く」Vol.1

点在する建設中の建物、道路を頻繁に行き交う大型トラック、海岸沿いにそびえ立つ防潮堤−−−−−5年前、東日本大震災で被災した地域の風景は今、めまぐるしい速さで変化しています。2015年度は復興庁が位置付けた「集中復興期間」の最終年度。被災した地域では、土地の造成や災害公営住宅の建設などが進められるなか、新しい土地での生活をスタートさせた人もいます。

2011年3月11日からもうすぐ5年が経つ今、Civic Forceの東日本大震災支援活動で携わった6人に改めて話を聞きました。東北の復興や今だからこそ感じていることなど、それぞれの思いを紹介します。

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大島ー白幡さん.JPG

◆ インタビュー Vol.1

「皆が戻って来たくなるような魅力的な島に」

大島観光協会会長/大島汽船(株)

代表取締役社長 白幡昇一さん

 

 

宮城県の気仙沼市本土からフェリーで約20分、東北地方最大の有人離島「大島」は、小田の浜海岸や亀山など自然が美しい観光の島です。生まれ育ったこの島の観光に、40年以上かかわってきました。震災では、津波や火事にみまわれましたが、全国からやってきたボランティアの方々が、大量のがれきの撤去や清掃活動などを手伝ってくれました。失ったものは大きいですが、それ以上に皆さんとのつながりが私の財産です。

震災から5年近くが経ち、復興や災害に対する意識は風化し、島への観光客の数はまだまだ戻っていません。震災直後に盛り上がった復興まちづくりの動きも元気を失っています。一時、浜に防潮堤が立つ計画が浮上するなど、急速に変わっていく街の姿に不安を抱く人もいます。そうしたなか、若い人が仕事を求めて街を離れていくのは、自然な流れかもしれません。

2018年には気仙沼本土と島を結ぶ「大島架橋」が完成予定で、島を取り巻く状況も変わることが予想されます。「戻って来たい」「もう一度あの島に行きたい」と、皆が思う、魅力的な島になるようがんばります。

 

◇ Civic Force×大島 

大島2フェリー.jpgのサムネール画像

人口約3000人が暮らす大島では、大島汽船が運航するカーフェリーが人々の生命線でした。しかし、津波で船体が陸に打ち上げられ、一時島民は孤立した状態となりました。そこで、Civic Forceが広島県江田島市のカーフェリーの無償貸与を仲介し、2011年4月から11カ月間、生活支援物資や工事車両の運搬、島民の通勤・通学の足として利用されました。

また、2013年5月には、Civic ForceのNPOパートナー協働事業で「気仙沼大島ランフェスタ」を実施。白幡さんが会長を務める大島観光協会などと協力して約2000人のランナーを集め、翌年には震災で中断していた「大島つばきマラソン」の復活につながりました。