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アジアに展開する

2018/12/04

【A-PADフィリピン】台風ヨランダから5年、オルモックで設立式典

日本各地で自然災害が相次いだ今年、アジア各地でも地震や台風による甚大な被害が発生しました。なかでも9月に台風22号に見舞われたフィリピンでは、ルソン島北部などで多くの命が犠牲になりました。

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今回の台風は、専門家などから「ヨランダに匹敵する台風」とも言われましたが、そのヨランダとはどんな台風だったのでしょうか。毎年のように台風に見舞われるフィリピンですが、実はここ数年で最も大きな被害をもたらしたのが、2013年の台風ヨランダです。中部の島々が長時間にわたって強風や高潮に襲われ、レイテ島のオルモック市では9割もの建物が全半壊し、避難者の数は数百万人にのぼりました。あのとき、世界各国から支援団体がかけつけるなか、Civic Forceもフィリピンのパートナー団体と連携して、緊急支援物資や避難用テントを配布し、主要産業である農業の復旧に向けたサポートを行いました(過去の記事はこちら)。

あれから5年。復興途上にあるオルモックで、今年11月、国際機関「アジアパシフィックアライアンス(A-PAD)」フィリピンが主催する東部ビサヤ地方災害時連携プラットフォームの設立式典が開催されました。A-PADは、日本の災害支援の経験と災害時連携プラットフォームの仕組みをアジア各地へ広げていくための組織で、Civic Forceも設立に参画。今や6カ国が加盟し、災害時に国やセクターを超えて支援活動を実践する組織に成長しています。

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設立式典では、A-PAD本部を構える東京事務所やフィリピンの災害支援NGO「CDRC」、フィリピン防災財団(PDRF)のメンバーのほか、復興途上にあるオルモック市のリチャード・ゴメス市長も出席。災害が頻発するこの地域において、A-PADとともに緊急時対応や防災の取り組みを強化していく意思を示しました。

また、A-PADメンバーは、今回の式典に合わせて、台風ヨランダの際に高潮で陸に乗り上げたタクロバンの船「M/M Eva Jocelyn Shrine」などを視察。記念碑とともに”遺構”として残し、震災の経験を後世に伝えていく取り組みについて話を聞きました。また、甚大な被害を受けた農業分野の復興は、各事業主の努力によってほぼ回復しつつあることを確認しました。 

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A-PADが手がける地域連携プラットフォームは、ビコル地方、中部ビサヤ地方、ミンダナオのソクサージェン地方と合わせて、これまでに4地域で設立されています。災害の多い島国フィリピンでは、いざ災害が起きた時、少しでも多くの人に支援を届けるためには、地域ごとのつながりやネットワークが不可欠です。式典では、A-PADフィリピンが、これからも組織や国の壁を超え、A-PADグループならではの迅速かつニーズに沿った支援を展開していけるよう関係者が思いを一つにしました。