熱海活動視察① 被災からもうすぐ1年。「テンカラセン」と「めぐみ会」を訪問
2021年7月3日に熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流災害から、もうすぐ1年。
Civic Force(シビックフォース)は「NPOパートナー協働事業」を通じて、地元団体の復興に向けた活動のサポートを続けています。5月、Civic Forceのスタッフが熱海のパートナー団体を訪問しました。
最初に訪れたのは、主に伊豆山の若手有志が集まる「テンカラセン」。災害直後から物資支援など地域住民の生活や交流をサポートしています。昨年11月に始まったCivic Forceとの連携事業では、団体の立ち上げやHP・SNSなどの開設、被災した住民との情報交流会などを行ってきました。(詳しくはこちら)
今年4月にはクラウドファンディングを活用して、伊豆山の浜地区にコミュニティカフェ「あいぞめ珈琲店」をオープン。被災後の地域を盛り上げたいと、地域住民や観光客も気軽に交流でき、地域の老若男女が訪れることのできる場所です。放課後には子どもたちが宿題をしに訪れることもあります。
カフェで1枚500円で販売中の「つながるチケット」は、何か地域のためにしたいと思った人がチケットを購入し、それを地域住民の人がカフェで飲食する際に使えるもの。「放課後にやってくる子どもたちが使うことも多い。身近な支援の仕組みは支援する人たちにも好評」と代表の高橋一美さんは話します。
また被災の爪痕が残る現場を訪れた人が、その想いを話したい、何かできることはないか、と訪れることもあります。そんな人のために店内では地域へのメッセージを木製コースターに書くコーナーがあります。今までのコースターで壁一面が埋まりました。スタッフが訪問した際もそうした方とカフェで話した高橋さんは「少しずつ地域や被災したことに想いを寄せる人たちが集まれる場所になっているんじゃないか」と話されていました。
テンカラセンとCivic Forceの協働事業は4月から2期目がスタートしています。団体としてNPO法人化を目指すほか、地域の復興に向けた意見交換会を行う予定です。また地域の団体の活動が住民にわかるようにと、地域新聞の発行も準備しており、少しずつ復興へ進んでいます。(2期事業についてはこちら)
あいぞめ珈琲店から15分ほど歩いたところにあるのが、岸谷地区で障がいをもつ人々の就労支援を行う「心象めぐみ会共同作業所」です。2021年12月に終了したCivic Forceとの協働事業では、土石流災害の影響を受けた事業所の物品購入などを行いました。(詳しくはこちら)
訪問日にはちょうど利用者がトイレットペーパーの包装作業やエコバッグを作るために傘の布地をほどく作業を行っていました。
被災による休業で仕事が減少したため、受注業務やイベント参加を増やそうとNPOパートナー協働事業で購入した車も引き続き活用されていました。
被災後の大変な中、めぐみ会はクラウドファンディングやそのためにtwitterなども新たに立ち上げました。サポートしてくれた地域の繋がりが今も続いているとスタッフの古畑ひとみさんは話します。訪問の数日前も家主さんが持っている畑で甘夏狩りを体験。甘夏は手工芸品などと一緒に販売もすることができました。古畑さんは「前よりも地域の人や団体に声をかけてもらうことが多くなった。今だからそのつながりを活用して、活動の幅を広げていきたい」と話されていました。
支援団体の助成により、現在は防災備蓄用の倉庫も設置。家屋の減った地域に少しでも灯りがあればと、屋外にはイルミネーションを飾るなどもしています。6月には憩いの場としてテラスエリアも整備しました。
再び雨の季節を迎える中、地元団体による様々な試行錯誤が続いてます。
テンカラセン https://www.tenkarasen.org/
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