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2014/03/26

「顔の見える関係」構築へ、広域的地域間共助推進事業

広域.JPG災害は、いつ、どこで起こるか分かりません。今後発生し得る大規模な災害に備えるため、平時から地域同士が「顔の見える関係」をつくっておくことが大切です。Civic Forceは昨年6月、静岡県袋井市、長野県塩尻市とともに国土交通省「広域的地域間共助推進事業」の実施団体に選定され、昨年10月からこれまでに5回に渡って協議会を開催し、緊急即応体制の構築に向け議論を深めてきました。

同事業の目的は、災害に備えた平時からの広域連携を推進し、いざというとき、相互に支援し合える環境を整備すること。各地域の先進的な連携の取り組みを国交省が支援し、具体的な取り組みを通じて得られる課題や、効果的な広域連携の知見・ノウハウを広く共有していくことを目指しています。

そのため、事業を通して①同時被災リスクの少ない複数地域における連携、②行政、民間企業、NPO等の多様な主体が地域を超え広域に連携、③各地域が保有する資源、ノウハウ等を有機的に結びつけ有効活用を図った取り組み、④地域活性化を目的とした平時の枠組みを活かしつつ、これと合わせて災害時の支援・受援や助け合いの取り組み(広域的地域間共助)を進める事業―を展開することが必要とされています。

袋井市と塩尻市は友好都市であるとともに、いずれかの市で地震などの大規模災害が発生した場合、物資、重機、各種資機材や人員などを提供・派遣する「相互応援協定」を2007年に締結。 Civic Forceも静岡県袋井市と東海地震などの大規模災害発生に備え、2008年に災害時相互協力協定を締結しています。

IMG_5195.JPG本事業を通じて開催された5回にわたる協議会では両市の防災対策や各種イベントなど今後連携できる項目についてそれぞれ意見を交わしました。また昨年12月には被災地視察として宮城県気仙沼市を協議会メンバーが訪問(写真右)。災害当時の気仙沼市の状況などを同市出身のCivic Force東北スタッフが説明しました。その他、Civic Forceと関わりの深いNPOとして、気仙沼まちづくり支援センター、ピースネイチャーラボ、森は海の恋人、オールラウンドヘリコプターを訪問し、それぞれの団体が被災後からこれまでに取り組んできた活動内容について聞き、地域振興、官民の連携の在り方などに関する理解を深めました。

袋井市総務部防災課防災計画係の鈴木立朗統括係長は「塩尻市とは災害協定を締結していますが、平時のつながりは無いに等しい。各市が保有しているマニュアルをお互いに知らないので、避難所がどこに設置されるかもわからないし、緊急物資の送付先も知らない。今回の事業を通して平時から情報共有することが大切だと痛感しました」と強調。

また塩尻市総務部消防防災課の佐原守防災係長は「NPOに対する理解があまりなかったので、気仙沼訪問の際もNPOが地域をまとめているという話に懐疑心を抱いていました。しかし実際にNPOの方々のお話を聞いて、彼らの熱意、力強さを感じました。復興や地域振興においては点ではなく、面で地域をとらえて活動する団体が必要であり、今後は行政としてそういう団体と接触していきたいと思います」と話していました。

3月3日には「平成25年度広域的地域間共助推進事業 活動報告会」が都内の会議室で開催され、今年度事業を実施している11地域の担当者が取り組みを発表。袋井市、塩尻市は今後、地元市民団体の活動を支援するとともに、他団体との連携で活動の幅を広げ、連携交流の実現を目指していくことを報告。また袋井市と塩尻市の連携を軸に、他姉妹都市などとも同様の関係を築き、これらを結ぶことにより連携交流を構築するほか、袋井市の農産物や塩尻市の漆器やワインなどそれぞれの特産品を一堂に集めた共同物産展などの開催を検討しており、両地域の活性化と「顔の見える関係づくり」を推進していきます。

Civic Forceはこうした行政など外部機関との連携強化事業を通し、大規模災害時に効果的な支援を行うための準備を、平時から進めています。