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2014/05/30

【夢を応援プロジェクト】「建築士になって故郷の街並みを復活させたい」―奨学生からのメッセージ3

(FB用)夢を応援プロジェクト.jpg東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島3県の学生を、奨学金とサポートプログラムで支援する「夢を応援プロジェクト」。奨学生に、2013年度を振り返って「最も印象に残ったこと」「学んだこと」「力を入れたこと」などをテーマに課題作文を書いてもらいました。ここに、その一部をご紹介します。

今回のテーマは「この1年間で私が学んだこと」。震災から3年が経ち、故郷、家族への思いを抱きながらそれぞれが夢に向かって歩みだす姿を垣間見ることができます。(※学年の記載は2014年3月時点)

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「人と人とが支え合うことの大切さ」―大学3年生/宮城県出身・在住/女性

今年、看護学生となってから、初めての臨床実習が始まりました。実習を通し、看護師と患者さん、医療従事者のつながりや協力性、チームワークなどを身にしみて感じています。看護師は勉強だけでなく人とのつながりが大切となる職業で、コミュニケーション能力の向上と、周りに気を配りながら物事を予測し動くことが大切だと学びました。またボランティア活動を通してたくさんの地域の方々と触れ合うことができ、人と人とが支え合うことの大切さ知りました。現在、私たちは災害用パンフレットを作成し、地域に配布する活動を行っています。この活動はただパンフレットを配布するだけではなく、地域の人々とのコミュニケーションや気軽に身体を動かす場を作るとともに、次に起こる震災に備えることを目的としています。この活動を今後も続けていきたいです。

 

「地元に戻り、地域に貢献したい」―大学2年生/福島県出身・在住/男性

高校卒業後、進学のために地元を離れ、現在は同じ福島県内の大学で薬学を学んでいます。今、改めて故郷を見たとき、卒業後は地元に戻り地域の人々に貢献したいと思うようになりました。私の地元は、震災前に比べて人口が大幅に減少し、医師や看護師、薬剤師などがいないため、閉鎖した病院も数多くあります。だからこそ、地元で生まれ育った私たちが、地元で働くことによって少しでも復興の手助けになると思います。またこの1年間で私が学んだことは、親のありがたさ、お金を稼ぐことの大変さです。親に大学へ行かせてもらっていることに感謝し、親孝行をしなければと思うようになりました。今出来る親孝行は、ストレートで大学を卒業し国家試験に一発で受かること。そのため、大学の講義とは別にしっかり予習、復習をし、勉学に励むことが1番だと思います。将来の夢のためにも、もっと頑張っていきたいです。

 

「若い世代が復興に向けてできることを」―高校3年生/福島出身・在住/女性

私は昨年、学校の研修旅行で阪神淡路大震災の被害にあった兵庫県神戸市長田区を訪れました。神戸市の職員の方が撮影した地震発生直後の街の様子を見て、東日本大震災の発生直後の混乱した状況を思い出し、悲しい気持ちや辛い記憶がよみがえってきました。その後、実際に現在の神戸市長田区の商店街を歩いて学んだことは、いつまでも震災を思い出して悲しんでいるのではなく、復興に向けて自ら活動している方々の前向きな姿勢です。ボランティアや義援金に頼るだけではなく、商店街の再建や新しいことに取り組んでいました。震災から今年で3年という節目を迎えました。いつまでも悲しみに暮れるのではなく、私たち若い世代が自ら復興に向けて出来ることをすべきだと思います。

 

「建築士になって故郷の街並みを復活させたい」―高校3年生/宮城県出身・在住/男性

あの震災から3年が経ちました。震災を経験していろんなことを学びましたが、特に感じたのは全国の皆さんの優しさ、思いやりです。僕は高校で建築や設計を学んでいます。建築図面を書くことは大変難しいですが、高校在学中に2級建築士の免許取得を目指しています。また就職したら1級の免許を取得し、大きな家やビルなどを設計できるようになりたいです。そして、復興に役立つ建築士になり、ふるさと石巻市雄勝町の街並みを復活させたいと思います。夢を持つことが志を持つことにつながることを震災復興の活動ボランティアの皆さんに学びました。将来は、地域へ貢献する活動や、ほかの地域の人たちが被災した時には、これまでの恩返しができれば嬉しいと思って毎日頑張っています。

 

「大人になったよ」と言えるように―大学3年生/宮城県出身・在住/女性

私は今年度、20歳になり、成人式を終えました。学校生活に慣れてはきたものの、授業のレベルが上がりついていくのに必死です。アルバイトもいくつか経験し、社会勉強、お金のありがたみ、そして、母への感謝の気持ちを改めて感じることができました。今年で震災から3年が経ち、あれから私はどれだけ成長できているのか、ちゃんとした大人になれているのか正直自信がありません。それでも精一杯学び、成長し、自立し、いつか「大人になったよ」と、震災で亡くなったおばあちゃんとおばさんに胸をはって言えるようになりたいです。そのためにも今はやるべきことをこなすのが私のできることです。今年も大学に通うため、夢を応援基金の奨学金のお世話になりながら、また1年がんばっていきたいと思います。

 
「母にいつも感謝の気持ちを」―高校3年生/岩手県出身・在住/男性

震災当時、僕は中学3年生で、母は津波で職場が流され仕事を失いました。家は無事でしたが、母子家庭なので母が仕事を失い、これからどうやって生活していくのか悩んでいたのを覚えています。僕は小学校の頃から野球部に入っていて、野球が出来る環境も、塾へ行く環境も、学校へいく環境も当たり前のように生活してきました。今年の4月で高校3年生になり、これからは勉強も、部活も両立し、将来のことを考えて学校生活を送らなければいけません。卒業後は進学ではなく、建築関係の仕事に就きたいと思っていますが、そのためにはたくさん勉強をしなくてはいけません。今は部活動ばかりに集中していますが、母に感謝の気持ちを持ちながら夢を叶えるため頑張っていきたいです。

 

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