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東日本大震災 3 11を忘れない NPOパートナー協働事業

【3.11 東北、推しスポット大賞】結果発表!最優秀賞、優秀賞など32作品を選出

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2011年3月11日の東日本大震災からもうすぐ14年。2011年以降、東北の被災地に身を置いてきた私たちは、「3.11」を想うきっかけの一つとして、今年は「東北、推しスポット大賞」を実施しました。2024年12月20日から2025年2月2日までの募集期間中に200件近くの写真とエピソードが寄せられ、審査の結果、最優秀賞2作品、優秀賞6作品、入賞3作品、佳作21作品(賞品なし)の計32作品を選出しましたので、ここに発表します。東北に住んでいる方や被災地へ通い続けている方、旅で訪れた方など、たくさんの皆さんにご応募いただき、誠にありがとうございました。

なお、私たちは現在、3.11の被災地の一つである岩手県大船渡市の山火事被害の被災地で、緊急支援活動を行っています。被災地での活動について、詳しくはこちらで随時ご報告していますが、「東北、推しスポット大賞」の結果発表を心待ちにしていた皆様におかれましては、発表が遅れましたことを心よりお詫び申し上げます。

「東北、推しスポットMAP」と受賞作品一覧

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最優秀賞

高田松原の今(岩手県陸前高田市/菅原秀子さん/MAP no.1)

【エピソード】2011年3月11日の東日本大震災で、名勝「高田松原」の7万本の松は1本を残し消滅しました。でも市民は諦めませんでした。隣町・住田町の女性が震災前に拾っていた松ぼっくりから取り出したたくさんの種を寄贈してくれたことをきっかけに高田松原の再生を目指しました。準備期間を経て2017年6月から苗木の植樹が始まり、ボランティアの方々の力もお借りし4万本の植樹が完了。あれから7年。2024年9月、私は民泊を受け入れた神奈川県相模原市の高校生3人と高田松原を訪れました。松は順調に成長しており、通路の先には海と空と砂浜が広がり、波の音も心地よく感じられます。震災前に高田松原を散策していたことが蘇って懐かしくもあり、嬉しさがこみあげてきました。これから先も、松原の松は街の復興を見届けてくれるはずです。

いわきの夏(福島県いわき市/望月彩花さん/MAP no.2)

【エピソード】私の地元はいわき市です。いわき市といえば、海が自慢です。東日本大震災では、津波の影響で多くの人が命を落としました。海は怖いものというイメージを持たれた方も多くいると思います。私自身も、震災から10年以上が経った今でも、海へ遊びに行くと当時の映像が思い出され、「もし今地震が起きたらどこへ逃げようか」と考えてしまいます。それでも海へ足を運ぶのは、この美しい自慢の景色を大切にしたい、目に焼き付けたいと思っているからです。東日本大震災の教訓を忘れずに、自慢の海をこれからも大切にしていきたいです。

優秀賞

 会津美里町

(福島県大沼郡/佐山勝信さん/MAP no.3)
 【エピソード】東日本大震災の後、奥会津大洪水に見舞われた会津地区、寸断された只見線、昨年復興されて現在は通常運転へ。2024年秋、会津美里町蓋沼公園から見える只見線を撮影しました。公園から見える只見線が「私の推し」です。

 ワインドメーヌと展望台
福島県富岡町葡萄園青木淑子さん/MAP no.4
【エピソード】「富岡漁港で獲れた魚をカルパッチョにして、富岡で創ったワインで乾杯する時が、俺たちの復興だ!」2011年3月11日の東日本大震災と原子力災害の複合災害に襲われ、避難を余儀なくされた町村民たち。すぐに帰れると思った「ふるさと」は、バリケードに囲われ6年間は誰も住むことができなかった。原子力災害は、目に見えない放射能との闘いだ。長期にわたる広域避難は、人と人のつながりを奪っていく。先の見えない不安の中で、富岡町の男たちが立ち上がった。富岡に葡萄を植えよう!ワインを創ろう!震災から2年、海辺の崖の上に葡萄畑が誕生した。熟年男子のロマンあふれる「復興」への思いが様々な中傷非難を払いのけて、ついに14年後の2025年4月にワイナリーが誕生する。富岡ワインドメーヌ葡萄園の中には展望台があり、真正面に東京電力福島第二原子力発電所が見える。あの日津波に流された曲田、新しく建てられた常磐線富岡駅、富岡漁港と太平洋も一望できる。展望台から見える富岡町は、震災の元凶のシンボルの前に広がる富岡の「過去」と「現在」と「未来」がある。

 気仙沼の「里」(さと)
宮城県気仙沼市クレレナ新聞さん/MAP no.5
【エピソード】
【2016年】東日本大震災のあと、2016年4月末に東北へ1人で旅に出かけました。そのとき初めて訪れたのが、気仙沼の田谷地区の福幸横丁にあった居酒屋「里(さと)」です。外に出ていた「ホヤ」の看板に惹かれて、ドキドキしながら勇気を出して扉を開くと……母娘のさと子さん・里香さんが切り盛りするカウンター席。ホヤをさばくのは、かつては旅館の料理長をしていた父・正夫さん。「海辺だったから、旅館は全部流されちゃったの。でも、命が助かったからよかった」と里香さん。どんなふうに話の相槌を打ったらいいのか……気の利いた言葉が出てこないまま、口に運んだのは人生初のホヤ。海の香りにあふれていてフルーティーで、新鮮なホヤってこんなにおいしいのか!と。日本酒の盃との往復運動が止まらない。見知らぬ顔のものめずらしさに、カウンターに座る常連客の方々から「なぜ京都からわざわざ一人旅を?」との質問が。聞かれるままに話すうちに、ある社長さんが「震災がなかったら気仙沼に来なかったでしょう?(あなたは)来た。それでいいんだよ」と。カフェやレストランではなく、「カウンターで横並びに飲む店」だから聞ける言葉だなと。そして、2016年に無目的で訪れたことは「今行くべきだ」と思いつつも「ほんとうにいいのかな」とどこかで迷いながらだったので、現地の方に肯定してもらえて、ホッと気持ちがほぐれました。そして誰か、「里」を訪れた友人が飲んでくれたらうれしいなと、ボトルを入れてみました。
【2025年】そして今。今回の「推しスポット大賞」をきっかけに、久しぶりに里香さんに連絡をとりました。お父様・正夫さん三回忌であること。今、里は移転して、さと子さんと姉の里枝さんがんばっておられること。里香さんは関東に住んでいること……近況を交わして、とてもあたたかい気持ちになっています。写真は、里香さんから送ってもらった、今週の「里」のお突き出し。さあ、どの日本酒を飲みましょうねえ!     
こんな私の推しは「里」。こんなにあったかく迎えてくれるなんて! 次に「里」へいったら、また「クレレナ新聞」でボトルを入れておくので、CivicForceのみなさんもこれを読んだどなたかも、ボトル、飲んでくださいね。凍える海風が吹く気仙沼で、今日も元気にお店を開いているであろうさと子さんの姿を想像すると、元気がもらえる気がします。私の中にいつもある気仙沼。あたたかい気持ちがつながる、稀有なお店です。

 松島の遊覧船
宮城県宮城郡松島町大岡寛治さん/MAP no.6
【エピソード】東北・仙台旅行で訪れた松島の地。天候に恵まれ、松島の遊覧船を待っていました。乗船を心待ちにしていた観光客の中に、1人の少年が親の手を握りながら、やってきた遊覧船を見つけました。東北を襲った悲劇から10年以上が経ち、穏やかな海や子どもたちのかわいらしい声も聞こえてくるようです。

 天空の島
宮城県気仙沼市大島の亀山山頂須山恵美さん/MAP no.7
【エピソード】震災後、大橋の開通により大島へ車でも行けるようになったので訪れました。しかし、震災の影響はリフトの停止という形で残っていたため、亀山の山頂へは歩いて行くことに。途中、急勾配や細い足場等があり息が上がる場面もありましたが、登り切った瞬間、全ての苦労を忘れるほどの絶景に出会いました。写真はその時の一枚で、雲の具合により天空に島が浮かんでいるように見えます。震災後の復興した姿と未だに残る傷跡という、両面を見せてくれた大島の亀山。美しい景色はずっとずっと変わらないでいて欲しいと願います。

 海霧
宮城県石巻市牡鹿半島kentさん/MAP no.8
【エピソード】石巻市牡鹿半島の先にある金華山は「3年続けてお詣りすれば、一生お金に不自由しない」という言い伝えがあります。観光で石巻市を訪れた際、ご利益を求めて金華山にも行きました。金華山は本州と陸続きではないため、定期船で渡ります。当日は晴天で、船上からは養殖の生け簀、青い海とカモメ、それから、緑の森林に覆われた牡鹿半島の風景が楽しめました。圧巻だったのは、船が金華山に近づくと、牡鹿半島と金華山に挟まれた海域に海霧が発生していて、視界にある牡鹿半島が、すっぽりと包み隠されていました。このような自然現象を見たのは初めてだったので、とても見応えがありました。海霧は、いくつかの気象条件がそろわないと発生しないため、いつでも見られる現象ではないことから、運が良かったと思います。東北地方は、「やませ」が来たり、その気候から比較的海霧が発生しやすいという特徴があります。地元の漁師など海で仕事をする人にとっては見慣れた現象かも知れませんが、普段見ることのない人は、とても感動すると思います。私の東北の推しスポットは、幻想的な「海霧」です。

入賞

 最初で最後の雄姿
(岩手県遠野市宮守川橋梁go_to_travelさん/MAP no.9
【エピソード】遠くてなかなか来れない遠野市のメガネ橋を通るSL銀河を一度は見ようとやってきました。人がたくさんいる中、前夜から場所を確保して最初で最後の撮影をしました。今日を逃すと二度と撮れない一枚でドキドキの撮影でした。

 弁天崎
(岩手県下閉伊郡/ぽせいどんさん/MAP no.10
【エピソード】3.11東日本大震災…当時は私の町も被害が大きく、震災後の生活も大変な苦労しました。落ち着いたころ、東北地方の震災時の映像を見て驚愕しました。何とか力になりたいと思っていましたが、福島原発の放射能汚染の影響で通行禁止区間があり行動できませんでした。そんな放射能汚染も落ち着いて通行禁止が完全解除されたころから毎年1、2週間程度、東北震災復興支援の旅を続けています。地元の食材を食べたり、元気な人々の生活を見たり、綺麗な景色を撮影したりする旅行で大きな力にはなっていませんが、元気になっていく東北を見て嬉しく思っています。写真は、10日間かけて岩手県を一周する撮影旅行を実施した際に撮影。国内で2番目に大きな面積を持つ岩手県は見どころが沢山でした。海岸線は僕の一番好きな場所。全国を旅していても海岸線を通って移動することが多い。驚いたのは岩手県の海岸にはゴミが全くないこと。調べると対岸に大陸がないのと、海流の影響でゴミが漂着しないのだとか…それにしてもペットボトルやコンビニ袋など、どの海岸でも見かける残念なゴミが全くない…。「汚さない」などの地域の看板は見かけたので地域住民の苦労もあるのかもしれない。とても素晴らしいと思うのです。

 大空のキューピッド
(宮城県東松島市/佐藤礼偲さん/MAP no.11
【エピソード】全国各地のイベントや行事で展示飛行を行っているブルーインパルスは宮城県東松島市がホームベース。その東松島市の日常風景としてブルーインパルスの日々の訓練の様子が印象的です。3.11で大きな被害を受けた松島基地から、復興の象徴として全国の方々に勇気や感動を届けていることが大変誇らしく思います。この広い大空に描かれる雄大なスモークの美しさが東松島を訪れた方々の心を射抜くような存在になっていればと思い、撮った一枚です。

ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。そして受賞者の皆さま、おめでとうございます! 最優秀賞、優秀賞、入賞を受賞された方には、東北の特産品などが選べる「カタログギフト」(20,000円、 10,000円、 5,000円)をお届けします。ご到着まで今しばらくお待ちください。

佳作

上記以外にも皆様の想いが伝わるすばらしい写真とエピソードを多数お寄せいただきました。Civic Forceスタッフが1票を投じた作品・エピソードを「佳作」として選出いたしましたので、ご紹介します。作品・エピソードの詳細はこちら

MAP no12.夜明け(福島県いわき市薄磯海岸)/13.黎明(岩手県雫石町小岩井農場)/14.釣石神社(宮城県石巻市)/15.ラッキー公園(福島県浪江町)/16.栗駒山(宮城・岩手・秋田)/17.大谷海岸の朝焼け(宮城県気仙沼市)/18.夜明けへの導き(宮城県利府町馬の背)/19.桜花爛漫(福島県会津若松市鶴ヶ城)/20.勾当台公園(宮城県仙台市)/21.癒しの天空風呂(秋田県雄勝郡 栗駒山荘)/22.宮城縣護國神社の七夕飾り(宮城県仙台市)/23.思い出いっぱいのアクアマリンふくしま(福島県いわき市)/24.山全体に広がる神秘の樹氷(蔵王山:宮城県・山形県)/25.躍動(福島県福島市つばくろ谷)/26.「元気でた?」(岩手県大槌町江岸寺)/27.桜のトンネル(青森県青森市駒込月見野)/28.蕪島(青森県八戸市)/29.奇跡の一本松(岩手県陸前高田市)/30.建設中の鶴亀大橋(宮城県気仙沼市前浜)/31.今年も見れた四倉の初日の出(福島県いわき市)/32.裏の川(福島県耶麻郡北塩原村)

3.11の教訓を未来につなげていくために

2011年3月に緊急支援活動を開始して以降、東北での被災地支援活動を続けてきたCivic Force(シビックフォース)は現在、独自の復興支援プログラム「NPOパートナー協働事業」を通じて、地域の復興の動きを後押ししています。支援にあたっては「まちづくり」「福島と原発」「記憶の伝承」という3つのテーマを軸に、被災した地域で活動する地元NPO団体の取り組みをサポートしていますが、中でも「記憶の伝承」の一環として、3.11の記憶を振り返り教訓を後世に伝えていく活動に力を入れています。

本コンテストは「東日本大震災 (新・夢を応援プロジェクト)支援事業」の一環として実施しています。

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    銀行・ゆうちょ銀行から寄付
    • 三井住友銀行  青山支店 普通 6973031
    • ゆうちょ銀行 00140-6-361805 (通信欄に「東日本大震災」と明記ください)
      口座名義は上記いずれも公益社団法人Civic Force シャ)シビックフォース

      ※指定寄付のうち、15%を上限に運営費として活用し、残り金額はすべて事業費にあてさせていただきます。

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