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活動報告

被災地を支援する

2014/10/23

【東日本大震災支援】医療用多目的ヘリ、本格運航開始から1年

ARHの機体[1].jpg

宮城県の北東端に位置し、リアス式海岸の美しい景観が魅力的な気仙沼市と南三陸。東日本大震災の発生直後からCivic Forceが、緊急・復興支援の拠点を置いてきた場所の一つです。

震災後、復興の遅れや人口減少、過疎化などさまざまな課題が浮上するなか、この地域で最も大きな問題として、地域の人々の不安材料となっているのが、医療アクセスの悪さです。気仙沼と南三陸町では、合わせて年に約2,000件の救急患者が発生し、その7割が気仙沼市立病院に運ばれますが、より高度な救命処置が必要と診断された患者は、高度救急医療機関などに搬送しなければなりません。しかし、救急車での陸路搬送は時間がかかり、一刻を争う救急医療の大きな壁となっています。

そこでCivic Forceは、中長期復興支援事業の一環で「命をつなぐ翼プロジェクト ~ヘリを活用した緊急医療搬送支援」として、1年前の2013年10月、NPO法人「All Round Helicopter(ARH:髙橋雅之代表理事)」の立ち上げをサポートし、主に気仙沼圏域から近隣の高度医療機関へ救急患者を搬送するためのヘリの運航を開始しました。

http://www.civic-force.org/news/news-1235.php


岩手県の専門学校と共同訓練.jpg本格運航開始から1年――。「命をつなぐ翼プロジェクト」では、病院の閉鎖や医者の減少などでさらに医療過疎が進む東北の沿岸地域の課題に対処するため、パイロットや整備士、救急救命士の配置、機体や格納庫の整備、そして自治体や医療機関との協力関係を構築し、医療機関などがら要請があった際、すぐに駆け付けられる体制を整えてきました。

また、地域住民の方に広く存在を知ってもらい、より多くの医療機関や福祉施設などに利用してもらえるよう、地域住民向けの搭乗会やイベントでのデモンストレーションの実施、防災訓練への参加など、多岐にわたる活動を続けてきました。最近では、福祉施設や学校で、職員向けの救急救命講習なども展開しています。

民間の救急医療ヘリの運航実績が少ない日本において、このプロジェクトを継続させることは、まさに挑戦の連続でしたが、現在、10の自治体や病院などと連携協定を結び、救急患者の搬送実績も増えてきました。

ARHのホームページに、これまでの実績と、高橋代表のメッセージが掲載されています。ぜひご覧ください。
http://arh.or.jp/news_49/