2014/12/05
12月3日に発生した大型の台風22号が、昨年11月に甚大な台風被害を受けたフィリピン中部に接近しています。気象庁によれば、中心の気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで、中心から半径110キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。台風は、このあとも強い勢力のまま西寄りに進む見込みで、今月9日頃に、フィリピン中部を横断するおそれがあります。台風が近づく沿岸では高潮が発生するおそれもあり、フィリピン政府や気象当局は、大雨や暴風、高波、それに高潮に警戒するよう呼びかけています。
これに先立ち、Civic Forceの代表理事で、一般社団法人アジアパシフィックアライアンス(A-PAD)のCEO、大西健丞率いる緊急支援チームは、12月4日からフィリピンへ向かいました。そして、12月5日現在、セブ島で台風が通り過ぎるのを待ってから、できるだけ早いタイミングでヘリで被災地に入る予定です。
現地では、フィリピンのパートナー団体「CDRC(Citizens' Disaster Response Center)」と協力し、災害救助犬によるレスキュー活動を含む即時の緊急支援活動を開始します。被災が想定されているレイテ島やサマール島は、昨年11月に大型台風30号(ハイエン)の直撃により被災者が967万人を超える甚大な被害を受けた地域の中心地です。復旧もままならないうちに次の大型台風が迫るなか、わたしたちは、今回初めて、台風が来る前から被害が予想される地域に入って緊急支援の準備を担うという緊急支援チームの派遣を決定しました。背景には、昨年のフィリピン緊急支援活動において、物資の出荷手続きやフェリー・配布物資を運ぶトラックの調達の遅れ、被災した島内の道路事情の悪化、配給ポイントに行くまでの安全確保の課題など、さまざまな事情によって被災地への物資配布が遅れた経験があります。あの苦い教訓を糧に進める今回の早期派遣は、一人でも多くを救うため、また、一刻も早くニーズを把握し、より多くの人に必要な物資を届けられるよう、今からできる最善の方法です。
また、今回派遣する救助犬レスキューチームでは、今夏8月の広島の土砂災害支援で活躍したNPO法人ピースウィンズ・ジャパンの災害救助犬「夢之丞(ゆめのすけ)」も出動しています。殺処分直前に同団体に引き取られ、救助犬となるための訓練を重ねてきた夢之丞が、今度はフィリピンの人たちを救うためチームの一員として活動します。
この支援活動を支えていただくための寄付を募っています。皆様の暖かいご支援をよろしくお願いいたします。
■クレジットカードでのご寄付はこちらから
詳細情報は、随時アジアパシフィックアライアンス(A-PAD)のホームページ及びA-PADメンバーであるCivic Forceのホームページやfacebook、twitterでお知らせいたします。
●昨年11月に発生したレイテ島での支援活動などアジアパシフィック アライアンスの一員として実施した活動の詳細は、こちらから
http://www.civic-force.org/news/asia-pacific/
写真=©THE CITIZENS’ DISASTER RESPONSE CENTER (CDRC)