2017/05/06
東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島3県の学生を、奨学金制度と教育プログラムでサポートする「夢を応援プロジェクト」。2011年9月から1人あたり月額3万円の奨学金を支給しています。
このたび2017年3月をもって奨学金の受給を終了し、社会人として新たな一歩を踏み出した卒業生からメッセージが届きましたので、その一部をご紹介します。(2017年5月1日現在)
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災害時に活躍できる看護師を目指して―岩手県出身/女性/23歳
震災後、毎日知らされる友人・知人の訃報、幼馴染の死、嫌でも目に入る瓦礫と化した町…。津波で家とペットを失った私は、あのころ生きる意味を見失っていました。でも、避難所に掲示されていた記事や写真を見て、日本中、世界中の人が私たちのために動いてくださっていると知り、それが大きな救いとなりました。震災によって、自身の無力さを知り、「災害が起こった時、何もできない自分でいたくない」「人の命を救いたい」との思いを強くしました。そんな私は今年、看護師になり病院で働いています。今の目標は、災害時の最前線で活動できるDMAT(災害派遣医療チーム)の看護師になることです。
「親と同じ仕事を」―宮城県出身/男性/22歳
高校卒業後、地元を離れて北海道の大学へ進学し、この春無事に卒業しました。函館での就職を考えていましたが、どうしても親が続けてきた美容の仕事がしたくなり、4月からは仙台の専門学校に通っています。技術を身につけて周囲に癒しと安らぎを与えられるよう日々努力します。6年間応援いただきありがとうございました。
学業に専念し、看護の道へ―岩手県出身/女性/22歳
私は高校入学時に被災し、6年間にわたって奨学金をいただきました。夢をかなえるため、被災した自宅を離れて暮らすのは大きな負担でしたが、学費や生活費の負担を軽減でき、学業に専念できたことで専門学校を無事卒業できました。これからは私がお世話になった方々に恩返しできるよう看護の道に精進するとともに、復興の最中である石巻に少しでも貢献できるよう努めていきたいです。本当にありがとうございました。
親元を離れ、大学院へ進学―福島県出身/女性/22歳
震災の影響で、しばらく親戚の家や会社のアパートなどを転々としていました。学校に通えず福島に残れるのかもわからずとても不安でしたが、学校の先生に夢を応援基金を紹介され、返済不要と聞いてとても安心しました。経済的負担が軽くなり、あきらめかけていた大学院進学も決心できました。4月から親元を離れて北陸の技術系大学院で学んでいます。
どん底からはいあがり、第一志望の会社に就職―宮城県出身/男性/23歳
震災で帰る家がなくなり、丈夫だった祖母は倒れ、母はため息をついてばかりでした。「かわいそうに」という目で見られることにも苦しみ、大学受験には失敗。人生のどん底にいましたが、支えてくれる人たちの気持ちに応えようと必死で勉強し、翌年大学へ進学できました。ラグビー部の活動やベトナムでのボランティア、ドイツ留学などさまざまな経験をし、充実した4年間を過ごすことができました。そして今、第一志望の旅行会社で働いています。
「夢を叶えることができました」―福島県出身/女性/20歳
中学2年生のとき、東日本大震災を経験しました。あの日から早くも6年が経ちましたが、家族や皆さんのおかげで、高校と美容専門学校に通うことができ、不自由なく学び続けられました。今、夢だった美容師の道に進むことができたのは、夢を応援プロジェクトのおかげです。これからは一人の大人として苦しんでいる人を助けられるようになりたいです。
「子どもたちの成長を支える保育士に」―岩手県出身/女性/20歳
私の家は母子家庭で、震災後、短大に入るお金さえもギリギリでした。でも、いただいた奨学金で毎月の生活費や学費をまかない、保育士になる夢を叶えることができました。4月からは地元の幼稚園に勤めています。子どもたちの将来を支えられるよう、楽しく一生懸命に保育の現場で働いていきます。