2011/06/29
昨日の活動報告から引き続き、宮城県大崎市に拠点を置き、石巻市などで支援活動を展開するNPO「オンザロード(東京都世田谷区)」とのパートナー協働事業についてお伝えいたします。
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今回の災害支援では、一般ボランティアだけでなく、普段からオンザロードに関わりある方々も多数、「何かしなければ」という思いで石巻に集結しました。プロジェクトネーム「オンザロード” with FRIENDS”」の由来です。普段は沖縄で宿泊施設や飲食店を経営している新井章仁さんは、ボランティアビレッジのビレッジリーダーとして石巻に降り立ちました。大人数のボランティアを受け入れることのできる拠点作りに、新井さんのノウハウが活きました。理事長の高橋歩さんや新井さんのもとに、全国各地から宿泊施設の立ち上げメンバーが再集結しました。エコツーリズムのガイド経験者はボランティアの安全管理を、レストランの立ち上げメンバーは大規模な炊き出しを担当するなど、各自の得意分野を存分に発揮した結果、最大260人のボランティアが滞在できる拠点を作ることができたのです。
飲食店の経営者が主要メンバーとして参加したことで、実現できた支援もあります。石巻の飲食店の再生プロジェクトです。5月20日に復活第一号として、居酒屋「時代屋」が夜の営業を再開しました。
(再開した「時代屋」の前には、オンザロードへの感謝を記す看板とオンザロードの赤ビブスが掲げられている)
石巻市立町は、町一番の繁華街。夜はネオンがともり、毎夜飲み屋では常連さんでにぎわっていました。海から数百メートルの場所にある繁華街では、1階部分がほぼ浸水。大量のガレキとヘドロでお店は大破しました。
オンザロードが得意の泥払い作業を展開していたある日、休憩中に居酒屋マスターと立ち話をしたことがきっかけです。マスターが再開に向けての悩みを打ち明けたところ、さっそくオンザロードは店舗内の掃除から壊れたガスや水道の配管作業、仕入れの手伝いなどで支援。再開にこぎつけました。石巻で活動するボランティアなどを相手に、ラーメンやチャーハン、お酒を提供しています。マスターは「オンザロードさんはすぐに手を貸してくれた。本当にありがたい。まさかこんなに早く再開できるなんて思わなかった。第二号、三号と続くように知り合いの店の手伝いもお願いしている」と話します。これも、飲食店の経営が長いメンバーを抱えるオンザロードならではの支援です。
(3月11日から営業再開までの苦労を語るマスター)
泥撤去や店舗再生支援のほかにも、オンザロードでは多様な活動を展開しています。宮城県女川町への炊き出しや石巻市渡波地区でのお風呂運営、渡波地区の住宅街でのブロック塀撤去と側溝の泥かき。在宅避難者の多い渡波地区では、地元の方々と協力してボランティア活動に当たる赤いビブスを来たオンザロードのボランティアをよく目にしました。避難所近くで運営する薪を使ったお風呂にて、避難者の方々と一緒に火の番をしたり、話し相手になったりする一方、ブロック塀や泥撤去の現場ではスピード重視できびきびと働く様子を在宅避難者の方々が見守り、休憩時間にはお菓子やジュースの差し入れをいただいていました。「スピードは信頼」。新井さんの語るオンザロードのモットーをまさに体現していました。
(お風呂の火の番をしながら、避難所で暮らす方々と交流。側溝の泥撤去作業では、地元の方からジュースの差し入れも)
地元の方々との信頼関係を構築し、ボランティア活動を通じて交流できるオンザロード。数あるボランティア派遣団体から、なぜオンザロードを選んだのか。次回はボランティア参加者の声をお伝えします。