災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

活動報告

被災地を支援する

その他

2011/07/01

ツバキの島・気仙沼大島

観光と漁業の島である気仙沼市大島。ようやく仮設住宅への入居が始まり、生活再建に向けて着実に歩みを進めています。復興に向けて、大島内ではさまざまな話し合いがなされています。Civic Forceの現地コーディネーターも参加し、どのような形で活動をサポートできるか、検討を進めています。

大島では、毎週日曜に開催していた朝市「島っこ市」が5月15日に復活しました。以前は漁港の販売所で開いていましたが、津波で販売所が流されてしまったため、高台にある漁協の集荷所で開催しています。震災前に収穫したワカメや野菜、手作りのおこわなどを販売しています。大島には兼業ではありますが農業を営む方が多数います。野菜のほか、ゆずなどを栽培している方が多く、そのほとんどが自家消費用。イベントや島っこ市などで商品として売り出すこともありました。

大島には自生のツバキがたくさんあります。ツバキの花が見ごろとなる4月の第3週目ごろには、毎年「気仙沼つばきマラソン」が開催され、毎回約2000人近くのランナーが県内外から訪れていました。また近年では、観光と健康増進を融合させたヘルスツーリズムの一環で、「早春椿ハイキング」が3月前後に開催されていました。

IMG_03440.jpgIMG_03920.jpg

(2011年3月6日に開催された「早春椿ハイキング」の様子)

大島の活性化に向けて、ツバキを使って観光開発していこうという動きがあります。

ツバキ油は大島の特産品の一つです。ツバキ農園を持つ農家はそれぞれに搾油機を手配しツバキ油を作っていましたが、島の産業復興に向けて、農家たちが結束し共同でツバキ油の生産拡大と製品開発をしたいという話し合いが活発化しています。ちょうど“大島”つながりで、ツバキ油で有名な東京の伊豆大島から搾油機の提供を受けることになったことも、農家たちの結束を後押ししました。

豊かな海産物を売りにした大島の民宿。きれいな砂浜があり、海水浴場があり、宿泊や日帰りで北は青森、南は東京から年間数万人の旅行者が大島へ渡っていたと言います。大島には大手旅行会社の企画ツアー客が訪れるほか、「島の学校」と名付けた学校向けの体験学習では、地引網体験や無人島体験、イカの塩辛づくり、ゆず入りアイスづくりなど、約20のメニューをそろえ、多数の小中学生を受け入れてきました。

ですが、これまでの大島みやげと言えば、わかめとツバキ油。選択肢は決して多くはありませんでした。ツバキ農園を持つ農家たちのほかにも、地元ボランティアたちで結成された「大島復興チーム(おばか隊)」も、おみやげ開発を課題に議論を進めています。

大島では二次避難所であった国民休暇村も、27日から一般宿泊客を対象に営業を開始しました。被災者が仮設住宅へ引っ越しすることで、被災していない旅館は通常営業が可能になります。「島が変わりゆく姿を見てほしい。大島を訪れた人たちには、大島が復興していると発信してほしい」。観光客やボランティアの受け入れをバネに、大島は観光産業の復興を目指します。

2011-05-07_15.49.440.jpg