2011/12/06
複雑なリアス式海岸の入江は気仙沼沖に豊かな漁場を育む一方、津波の波高を増し、気仙沼市の多くの地域・集落に壊滅的な被害をもたらしました。震災後、多くの方が避難所生活を余儀なくされ、現在は仮設住宅など震災前とは異なる環境下での暮らしを強いられています。しかし、震災から約9ヶ月が経ち、まちが落ち着きを取り戻しつつある中、復興に向けた前向きな取り組みが各地で進んでいます。被災した土地をかさ上げして活用する試みや、あるいは津波で被害にあった土地には戻れないとしても、近隣の高台への移転を検討している地域もあります。また、復興に向けて住民一丸で取り組むため、集会を実施し、団体やグループを立ち上げる動きも進んでいます。
このような住民の主体的な動きに呼応し、気仙沼市も復興に向けて着実にあゆみを進めています。10月には震災復興計画を策定し、今後気仙沼市の復興に向けた大きな道筋を市民、そして全国の人々に示しました。また、気仙沼市は同じく10月から復興推進地域に関する説明会を市内の主要3地区で開催、11月からは集団移転に関する説明会を市内の各地で開催するなど、住民の声を緻密に拾い上げながら復興に向けた具体的な作業計画策定を進めています。
こうした中、これまで巨大な地震や津波によって壊滅的な被害を受け、現在は復興を果たした地域から学びたいという声が住民の方々から聞かれるようになりました。また、復興には大変な時間や労力を要し、住民と行政の連携が必要不可欠ですが、どのような連携の形があるのでしょうか。そのような要望や疑問に応えるため、これまでの知見の共有の場として、下記のとおり勉強会を実施することとなりました。
復興まちづくり勉強会 (主催:公益社団法人Civic Force、後援:気仙沼市、日本建築学会)
日時 12月10日(土)14:00~16:00
会場 保健福祉センター「燦さん館」保健センター室
入場料 無料
連絡先 公益社団法人Civic Force
TEL:03-5213-4930(東京事務所)
プログラム
第1部:奥尻の経験から学ぶこと(北海道大学・森教授)
1993年7月に発生した北海道南西沖地震の影響で、壊滅的な津波の被害を受けた奥尻島の復興に詳しい北海道大学の森傑教授が、奥尻の経験について解説します。奥尻では、復興後のさまざまな取り組みの中で、何がうまく進み何が反省点だったのか。また、被災から18年が経った今、奥尻の住民は自分たちのまちをどう考えているか。奥尻に関する専門家の知見を参加者と共有します。
第2部:グループ討議 ―唐桑のよいところ―
奥尻から学んだことを唐桑のまちづくりにどう生かしていくか、唐桑の良いところはどんなところで、子供や孫たちに、どのような唐桑を残していき たいのか、などについて、いくつかのグループに分かれて議論します。