2011/04/22
Civic Forceは、東北最大級の有人離島・気仙沼「大島」に数回渡航し、支援ニーズの調査・ヒアリングを続けています。
面積は9平方キロメートル、人口は約3,300人、世帯数約1,100世帯が被災し、生活しています。島の産業は漁業と観光が中心で、本土を往復する勤め人も住んでいます。
島内の海岸部は津波の被害を受けており、カキなどの養殖漁業施設や観光施設は壊滅的な被害を受けました。環境省の「快水浴場100選」で全国第2位に選ばれた小田の浜海水浴場も、水位が上昇したために砂浜や松林が消滅してしまっています。今月13日には電力が復旧しましたが、水道の復旧は当面見込めず、井戸水を利用できるよう調整が進んでいます。避難所には400人のかたが生活しており、その他の方々は自宅で避難生活を送っています。
現在、漁師の安全を確保するために漁業の操業は5月末まで停止するよう県から通達がでています。しかし6月以降再開できるのか、漁師さんの多くは大変な不安を抱えており、適切な支援策が必要です。
Civic Forceでは、当面の必要物資の配送を始めます。
避難所だけでなく自宅避難をされている方に食料等の基本的物資が不足しています。特にカルシウムやたんぱく質、ビタミン不足が指摘されています。またマスク、アルコール消毒剤、トイレットペーパー、石鹸などの衛生管理にかかせない物資や女性用の肌着などを必要な個数用意して4/20以降、即配送する計画です。
また、気仙沼市内では開始している漁業関係者との産業復興に関する協議を始めます。どのような支援が適切で、地元のみなさんのお役に立てるのか、幅広い選択肢をもって検討しています。
大島と気仙沼港を結ぶ大型カーフェリーの就航は間近です。
「ドリームのうみ」の就航により、気仙沼と大島の間に、被災者の行き来だけではなく、生活物資の運送や、地域復興にむけた大型資材のほか、簡易シャワーや仮設トイレ、給水車など大型物資を供給することができます。しかし、気仙沼は高潮の際に道路が冠水するため、桟橋の整備に時間がかかっています。4月末までには就航する計画です。確定し次第、お知らせします。
ところで、南三陸町では津波の被害を把握する海洋調査が始まりました。町が長岡技術科学大学の先生の紹介でアメリカからのロボット探査チームを招聘し、調査を行っているものです。2001年の米国同時多発テロの際にも出動したロボットで、今回は志津川新漁港の海底を調査しています。町によれば、濁りのある海でも鮮明に海中のようすが見えるため、がれきが沈んでいる場所を特定し、撤去したのち、水揚げ場として使える場所を特定できる見通しがたった、とのことです。
4/20のCivic Forceのトラック定期便は、不足しがちなビタミン類や糖分を補足できる、ジュース類や氷砂糖などを南三陸町にお届けしました。
(写真:大島の様子)