災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

HOME 活動報告 被災地を支援する 東日本大震災支援事業 その他 5月19日(木)震災から70日目-時間の経過とともに復旧する被災地の「足」

活動報告

被災地を支援する

その他

2011/05/20

5月19日(木)震災から70日目-時間の経過とともに復旧する被災地の「足」

5/19で震災から70日目を迎えました。

Civic Forceの活動拠点の一つとなっている南三陸町を車で移動していると、5/9から町内の病院や役場などを廻りはじめた無料臨時シャトルバスや、5/10から始まった小中学校に通うスクールバスなどに乗って町内の人々が移動する姿を目にすることが増えました。

この70日間を振り返れば、被災地における移動交通手段は時間の経過とともに復旧してきています。

震災直後、陸路は絶たれたため、Civic Forceではまず、平常時より連携を確認していた民間のヘリコプターを利用してスタッフの派遣や物資の輸送を繰り返し行いました。

resize0516.jpg

この間、救援活動の基幹となる主要幹線道路は急ピッチで復旧工事が行われ、私たちも陸路がある程度確保できた3/23から、チャーターした10台の4tトラックで毎日被災地に物資をお届けするトラック定期便の運行プロジェクトを開始しました。チャータートラック便はこれまで宮城県気仙沼市や南三陸町などを目指して東北道を走り、これまで約350トンの物資お届けしてきました。

resize0514.jpg

一方、被災地と各地を結ぶ道路以外の交通インフラも急ピッチで復旧が進められました。

東北新幹線は、4/7の余震による被害もあったなか、4/25には東京-仙台間が、4/29には約500kmに及ぶ全線が復旧しました。また震災により大きな被害を受けた仙台空港も4/13より民間機の就航を開始し、首都圏などと被災地を結ぶ人々の移動手段が増えました。

また、気仙沼市の離島「大島」では、地元の方々が「大島の国道」と呼ぶカーフェリーの就航が4/27に実現しました。これによって、本土に病院や買い物に行く車や仮設住宅の建築資材などを運ぶ工事車両が行き来できるようになり、島の人と物の従来が回復しました。

resize0515.jpg

現在、救援活動の動脈となる基幹道路から復旧した道路インフラについては、被災地の人々が生活で利用する身近な道路についても順々に復旧が進められています。

南三陸町を通る国道45号の落橋していた水尻橋は、自衛隊による仮橋作業により一車線を確保し、これまで片側交互通行にて共用していましたが、昨日より二車線確保を目的とした仮橋工事がはじまっています。
このような道路の復旧工事が進む中、地域内で効率的に支援活動を行うためには、自動車の他に細道を移動できるスクーターや自転車などが活躍します。
そこでCivic Forceでは現地からのニーズを受けて、パートナー団体である被災地NGO協働センター(兵庫県神戸市)が参加する「遠野まごころネット」に電動スクーター7台を5/16にお届けしました。小回りが利く電動スクーターは、まごころネットに参加する支援団体の間で市内の移動や支援物資の運搬などに利用されています。
また、復興の動きを加速するため、島内の移動手段として役立つ電動スクーターを気仙沼・大島にも今後提供する予定です。

2011051413260000.jpg 

被災地での移動交通手段は復旧しつつあります。
しかし、震災により自家用車や船などを失い、移動に不自由を感じている方々は多くいらっしゃいます。
また、三陸地域の沿岸を走っていた気仙沼線などの在来線は壊滅的な被害を受けて復旧の見通しは立っておらず、今後、復興の町づくりを議論する中で検討を行うことが必要です。
さらに、海の道の出入り口である港湾は、津波による大きな被害を受け、八戸港~鹿島港までの地方港湾を含む21港の現段階の復旧状況は未だ40%です。
人々の移動交通手段がすべて元どおりに戻るまでには相当の時間が必要です。
 

(写真:JR気仙沼線「陸前小泉駅」周辺の現在)

resize0518.jpg resize0520.jpg